文化祭の話⑥生徒による自治

文化祭実行委員会は様々な仕事を請け負っていますが、その中から「生徒による自治」という観点でいくつか紹介します。


●電力実験
当日、各クラスが使用する最大電力を同時刻に使用し、ブレーカーが落ちないか、その他安全面で問題がないかを実験する。


●教室移動
文化祭の時に使用する教室に、クラス全体が引っ越しをする。


●物品移動
必要なものの「貸し借り」や、不要物品の扱い等、校内で様々な物品を移動する。
第1移動から第8移動までで構成され、放送による指示で移動を行う。


●避難訓練
文実が避難用の図面を作成し、避難経路を確定、消火器等の位置の確認も行い、その上で全校一斉の避難訓練を実施。
終了後に、各クラスの代表者を集めて、当日に向けての問題点を共有し、改善を図る。


●木材配布・回収
クラスの出し物に必要な木材を、事前に設定図を提出してもらい、ヒアリングを行い、その上で各クラスに配布。
細かいルールが設定されており、条件をクリアしたものは再利用木材として保管、それ以外ものは回収・廃棄。
再利用木材についても、大きさ、本数、状態などを事前にすべて点検し、新規木材と合わせて配布できるように準備する。


これらのことを、ほぼ生徒のみで実施しています。
教員は、スケジュールに無理がないか、安全面で問題がないかなどを確認しますが、資料作成や当日の指示など、実務はすべて生徒のみで動かしています。
これら一つ一つが大きなプロジェクトです。
それぞれのチーフは、様々な失敗を経て、最終的にはミッションを達成していきます。


「生徒は有能」という生徒観から、「プロジェクトを実行を生徒に任せる」ことが導かれるはずですが、文化祭全体として、そのことを強く感じます。
このレベルで「自治」ができるし、そうだからこそ、「体験」を「意義ある経験」にできるのだと思います。