"変える"ではなく"勝手に変わっている"

2年生の芸術鑑賞教室で劇団四季のミュージカルを鑑賞するにあたり、事前学習が行われました。
講師には、元・劇団四季の木村花代さんがいらっしゃいました。

とても興味があったので、一緒に参加させていただきました。
様々なお話を伺い、色々と思うところがありました。
いくつか印象に残った話をご紹介いたします。
★は大野の雑感です。

 

●浅利慶太さんの言葉
「人生は生きるに値する」
★劇団四季はこれを伝えたいのだということです。
僕自身が生徒に真っ先に伝えたいのはこういうことかもしれないと思いました。
国立高校の3年生の演劇も、どんなジャンルのどんな演目であれ、これを伝えることができているから人を感動させるのだろうと思います。
2年生も1年かけてそんな素晴らしいものを創り上げていくのでしょう。

 

●生徒に対するワークショップ:喜怒哀恥の表現の練習
経験からしか演じられない。
本当の感情を表現する。
「今の感情は本物だったか?」と振り返る。

 

●質問:自分の声はそんなに変わらないのに、どうやって色々な役を表現するのか?
役によって、感情表現だけでも色んな声が出る。
グリンダを演じたときに、根暗な自分と正反対で、とても苦労した。
「声を変える」、というよりは、「勝手に変わっている」
ミスサイゴンのエレン役は人妻だが、「結婚している」という事実があったので、そこで自分の中の色々な感情を見つけていった。
★「声を変える」のではなく、「勝手に変わっている」という感覚は、演劇に限らず、人の変容のプロセスとして普遍性があるように感じました。
今、「アクティブ・ラーニング」バブルが生じて、その中で「こうあらねばならない」「こうありたい」という強い気持ちと、現実とのギャップで苦しんでいる人もいるかもしれません。
でも、それは「変わらねばならない」のではなく、地に足をつけながら目の前の生徒のために思考し、動き、振り返り、というサイクルを回していく中で、「気が付いたら随分変わっていた」というのが自然な変容のプロセスではないでしょうか。
また、「自分の中にある経験や感情」と徹底的に向き合って、与えられた役との共通項を探すことの重要性を強調してらっしゃいましたが、変容のプロセスの中では「自分の中にある経験や感情」と徹底的に向き合い、かつ、自分が役を無理やり取り込もうとするのではなく、自分の中にそもそもあった共通項を見つけ育てていく、ということにも普遍性があるように感じました。

 

●質問:舞台に立つ直前は何を考えているか?
周りの目を気にしないで、いかに自分の感情と向き合うことができるかを考えている。

 

●質問:緊張するときはどうするか?
今日が、大勢の人前で講演するのが初めて。
舞台では緊張しないけれど、生身の自分をさらすことは緊張する。
うまくやろう、ということは捨てて、「何をしにきたか」という目的だけをしっかり持っていればなんとかなる。
悪いことを考えるのではなく、いいことを考えると少し緊張が和らぐかもしれない。