状況を変えるには

人の考え方を変えるより、「意思決定の環境」を変える方が簡単だ


今いる状況を変えたい。
周囲の人の考え方を変えたい。
そうすれば、絶対にうまくいく。
例えば、そう思ったとしても、それは必ずしもうまくいきません。


「ある理論を理解し、共感した。これでいくのが一番いい。それしかない。その良さを伝えれば、必ず相手もわかってくれる。わからないのは相手がしょーもないからだ」
これでは、多様性や共生を認めない過激な宗教と同じです。
それでも、今いる状況が良いとはとても思えないとしたら、どうすればよいか。
その部分で多くの示唆をもらえる記事だと思います。
僕自身は、以下のような学びを得ました。


●「これはいいものだ」という理屈を理解し、それが自分の利益に沿ったものであってもそう行動するとは限らない。


●人の「考え方」を変えるのではなく、その考え方に沿っていながらも「自然にそうしたくなる」ように「環境」を変える。


"行動経済学によれば、人間はいかに賢明であろうとしても、常に合理的な判断をするとは限らない。たとえそれが自分の利益に沿う場合であってもだ。なぜなら判断をつかさどる脳内回路は固定的で、簡単に変えることができないからである。"


"より優れたアプローチは、まず新人にこう簡単な質問をすることだ――「最も強みを発揮している時のあなたは、どんな人間ですか?」。この質問の背景にあるのは、通常とは異なる雇用哲学であり、次の心理学的知見に基づいている。「人間は生来、自分が最も得意とすることをしたがる傾向があり、それによって認められたいと感じる生き物である」。私たちは得意なことによって自己を表現できると、自分らしさを感じることができ、活力が湧く。さらには仕事にいっそう没頭でき、生産性も高まり、組織へのコミットメントも強まる。"


"自分の強みを考えるプロセスを経た新人たちは、新しい職場環境で疎外感や不安を感じることなく、自分らしさを発揮できた。その結果、「組織重視」条件の新人と比べて7カ月後の離職率が低かっただけでなく、顧客満足度に基づく成績も上回っていたのだ。"


"こうした事例からわかるように、「人々の考え方」を変えようとするよりも、「人々が意思決定を行う環境」に手を加えるほうが効果的である。それらは、長い時間を要する大規模な取り組みである必要はない。それどころか、ほんの些細な微調整によって、個人と組織の両方に大きなメリットをもたらすこともできるのだ。"