人工知能は人を幸せにするか

あなたの進路は人工知能が決める


この記事を読んで、「希望」を感じるでしょうか。
もしくは、「不安」を感じるでしょうか。
僕自身は、大きな違和感を感じながらも、「こういう時代をこれから生きていくのだな」という覚悟が湧いてきました。


人工知能は、思っていた以上に急速に「できること」が増えています。
NHKスペシャルのネクストワールドで取り上げられていたワトソンに驚愕しました。
例えば、「シェフワトソン」は、食材のリストを入力すると、それをどう調理してどんな料理にするかのレシピを返してくれます。
人間がなかなか想像しないような料理も提案してくるらしいのですが、食べると確かに美味しいということです。

この意味においては、人工知能は、人間の役割の代替にとどまらず、それを超えた能力を発揮しつつあるのです。

この記事の「進路指導」も、まさにその事例だと思います。
単なる「検索」ではなく、膨大なデータを処理し、様々な可能性を考え、そこからある結論を「提案」するのです。
人間が「経験に基づく感覚」でやってきたことを、「膨大なデータに基づく論理的予測」でやろうということなのです。


今後、さらに様々な人工知能が開発され、そして実用化されるでしょう。
そのような世界に生きる上で、「人工知能にできなくて人間にできること」が問われることでしょう。
僕は、人間の「人間らしさ」あるいは「人間くささ」が好きです。
それは、人工知能では置き換えがたいものであると感じます。
Mr.Childrenの「Hallelujah」という曲にはこんな歌詞があります。


優秀に暮らしていこうとするよりも 君らしい不完全さを愛したい


「完璧を求める」より、「不完全さと付き合っていく」方が、今の自分にとってはしっくりきます。
こんなつぶやきも、いずれ時代遅れになってしまうのでしょうか。
でも、相田みつをさんのいうように、いつの時代も、「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」のです。
よく言われることですが、「知らない方が幸せなこともある」のだと思います。
遺伝情報の扱いに関しても「知る権利」だけでなく「知らないでいる権利」や「他人に知られない権利」が重要です。
「人工知能に知られない権利」「人工知能の出す予測を知らないでいる権利」というものも、今後必要になってくるかもしれません。


人工知能の時代に、何が「幸せの感受性を高める」のか。
忘れてはならない視点だと思っています。


記事より引用

“いま、アメリカやカナダの大学で人工知能による進路予測の導入が次々とスタートし、利用者は数百万人にも及んでいる。メンフィス大学で使用されている「ディグリー・コンパス」(Degree Compass)は、学生が履修する前からよりよい成績を取れる科目を予測する人工知能システムのひとつだ。
高校時代の成績、大学入学試験のスコア、ACT(American College Test)やSAT(Scholastic Assessment Test)など大学進学の指標となるテストの成績、大学入学後の科目ごとの履修実績や成績など、学生個人に関するあらゆる情報がインプットされている。そのうえ、個別の学生の遂行能力、科目の特性などをディグリー・コンパス自身が学習し、同様の傾向をもつ学生と比較する。その膨大なデータをもとに、個別の学生に履修すべき科目と成績の予測を提供する。“


“ディグリー・コンパスでは大学が提供している数千の科目から、それぞれの学生に適性がある可能性が高い科目を20科目程度に人工知能が絞り込み、科目ごとにどの程度の成績が取れるかを事前に予測し、学生の選択を助けるのだ。”


“もちろん、ディグリー・コンパスが推奨しなかった科目を選択したいと考える学生もいる。そのときの結果は、基本的には予測通り落第してしまう可能性が極めて高い。なかには懸命に努力して単位を取れた学生もいるが、その確率は年に9%しかいない。予測はかなり正確だ。カレン氏によれば、実際、このシステムを導入した結果、メンフィス大学では落第者が目に見えて減ったという。”


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