青春は明日から始まる

最高の夜

昨日は、日本武道館でのTHE BOOMの解散コンサートに行ってきました。
大好きなバンド。
でも、ライブには一度も行ったことがなくて、初めてのライブがラストライブになってしまいました。


THE BOOMは、中高時代に大好きでよく聞いていました。
ボーカルの宮沢さんが、「真夏の奇蹟」のときに、この曲を歌うと色々な景色が蘇ると話していましたが、僕もそれぞれの曲で、様々な景色や思いが蘇ってきて、胸が熱くなりました。


特に、「そばにいたい」という曲。

この曲には幾度も助けられてきたので、特に思い入れが深いのですが、最初の歌詞だけで何かもう色々こみ上げすぎて涙を抑えられませんでした。


"目を閉じてごらん 君は何が見える
今日までの思い出 それとも未来
 今まで僕は過去の湖を泳ぎ
 ひざを抱えていた
 だけど今は素敵な明日が見える"


そして2番の歌詞。


"手を空高くのばしてみてごらん
何かに触れたらそれが未来さ
背伸びしても飛び跳ねてももがいても構わない
神様はいつか君に気がつく"


こんな気持ちで手をのばし続けて来ました。
幾多の辛さを越えることができました。


続けて歌った「月さえも眠る夜」などは、中学生当時に聴いたときにはわからなかった楽曲の深さが初めて理解できて、染みました。
自分の人生の時間の積み重ねも感じさせてもらって、それをじんわりと振り返る時間。
そんな時間もこのライブでもらいました。
感謝です。


宮沢さんは、この日を「最高の夜だ」と表現しました。
本当に、その通りの、夢のような時間と空間でした。


青春は明日から始まる

心から楽しかった時間も過ぎ去り、アンコールへ。
アンコールの1曲目は、4人だけで「星のラブレター」。
シンプルなバンドサウンドと、万感の思いで歌うミヤさんに胸がいっぱいに。
そして、2曲目。
アンコールの最後に歌ったのが「明日からはじまる」。


"この命が終わる日が
 いつ来るのか知らないけれど
一つだけ言えること
僕らの青春は明日から始まる"


THE BOOMは、この日のライブを見ても、まだまだ第一線でバリバリできる力を持ったバンドです。
「なぜ、解散?」と思ってしまいます。
本人たちは、「この4人でやれる事、やるべき事は全てやり尽くした」と語っています。
しかし、その背景にはもう一つ、メンバーの体調もあったようです。
ボーカルの宮沢さんと、ベースの山川さんは大きな病気を患っています。
それもこれまで通りの活動を続けられない理由として大きかったのでしょう。
活動停止もありましたが、それも乗り越え、一度もメンバーが変わることなく、25周年の年に解散コンサートを迎える。
そのアンコールの最後にこの曲を歌う。
その気持ちを思うと思わず涙が。
強がりではなく、4人は本心からそう思っているのでしょう。
僕はどうでしょう。
教員を辞める日に、押し寄せる感情の波に飲み込まれずに、明日からの日々にワクワクできるでしょうか。


この後、ダブルアンコールでもう一度4人で出てきて一人ずつ最後の挨拶。
ドラムの栃木さんは、今日で最後だから言わせてもらう、という前置きの後に、
「出会ってくれてありがとう」
と言いました。


ボーカルの宮沢さんは
「寂しいとか悲しいとかじゃなく、本当に幸せなんです」
「世界一幸せなロックバンドを、今日まで信じてくれてどうもありがとう」
と言いました。


4人の挨拶の後に、宮沢さんのギターで「愛のかたまり」。
 何と、他の3人のメンバーは楽器ではなくコーラスで参加。


"ありがとう 忘れない"


ただそれだけの歌詞が胸に響いて響いて・・・。
この最後のライブツアーの初日に、宮沢さんは泣いたそうです。
しかし、最後の瞬間には涙はありませんでした。
その姿を、表情を胸に焼き付けました。


終演後、会場に流れた曲は「虹が出たなら」。
席から一歩も動けません。
4人がいなくなったステージを見つめながら、心がざわめきだします。
続けて「神様の宝石でできた島」
思い出に押しつぶされそうでした。

こんなにもたくさんの思い出と、これから先も聞き続けるだろう幾多の作品に感謝。
人生に刻み込まれた、いつまでも大切な大切なバンドです。


幸せな記憶

ベースの山川さんが、いつ倒れるかわからないということで、当初は最後のツアーも断念せざるを得ないという話があったそうです。
しかし、山川さん、宮沢さん、小林さんの同級生でベーシストをしている上野さんという方がサポートメンバーとして入ってくれることになり、今回のツアーが実現したそうです。
上野さんは山川さんのベースのフレーズを全て覚え、同じように弾けるように練習しれくれたそうで、メンバー全員が彼に心から感謝していました。


このとき、僕にも一人の同級生の顔が浮かびました。
B君です。
彼は、中学のときに僕にTHE BOOMを教えてくれました。
CDを貸してくれ、その魅力を語ってくれました。
昼休みの音楽室や、平日夜、休日、一緒にギターでTHE BOOMを歌いました。
色んな話をしました。
小中高と、あまりいい思い出がないのですが、B君とのTHE BOOMを通じた交流は数少ない幸せな記憶です。


大学に進学し、やがて就職。
その後、B君は実に波乱万丈な人生を送っています。
2月の結婚式にも事情により参加することが叶いませんでした。
でも、ご祝儀が届きました。
遠くから、僕たちのために、想いをこめて。
嬉しくて、そして切なくて、涙が流れました。


中脇初枝さんの「きみはいい子」という小説に、こんな一節があります。


”たとえ別れても、二度と会わなくても、一緒にいた場所がなくなってしまったとしても、幸せなひとときがあった記憶が、それからの一生を支えてくれる。
どんなに不幸なことがあったとしても、その記憶が自分を救ってくれる。”


人生には酸いも甘いもあります。
僕もB君も、例外ではありません。
それでも、人は生きていくのです。
あの頃の不安定でどうしようもない自分と付き合ってくれたB君に感謝しているし、人生の幸せを心から願っています。
僕は僕の元気な姿を見せることしかできません。


この解散コンサートで聴いたかなりの曲は、一曲一曲にB君の姿が重なりました。
THE BOOMの解散が寂しかった。
それは、思い出の糸が切れてしまうような感覚があったからかもしれません。
終演後のホールで、「虹が出たなら」を聴きながら感情が溢れたのは、ただその曲の良さだけではありません。
このコンサートの様子を話しに、近い将来、B君を訪ねて語らいたいと、日本武道館でそう強く思いました。


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