啐啄同時を目指す

どのタイミングで、誰に、どんな声かけをするとよいのか。
それは、どんな組織にいても、常に重要なことだと思います。


教員であれば、教員同士のこともありますし、クラスや授業や部活で教員から生徒にということもあります。
もちろん、生徒同士もあります。
声をかける「タイミング」というのは、本当に重要です。
そのタイミングさえ間違えなければ、例えば3年間担任をしている中でたった一度の声かけと対話だけで十分なこともあります。
逆に、そのタイミングを間違えると、取り返しのつかない状況を生み出してしまうこともあります。


目指したいのは、「啐啄同時(そったくどうじ)」。
ひなが卵から出ようと鳴くのと、母鳥が外から殻をつつくのは、同時でなければなりません。
殻をつつくのは、早くても遅くてもダメ。
「ひなが鳴く声」を聞こうとする、そしてその声を聞いた、まさにその時、「殻をつつく」ことが大事です。


「誰かに何かの声かけをする」ときには、この言葉がいつも頭に浮かびます。
相手の状況を知り、適切なタイミングで、適切な声かけをする。
理屈は単純ですが、実際にはとても難しいですし、「経験」も重要な要素だと思います。
自分も「適切な声かけによって救われた、助けられた」という経験があります。
それができる教員はすごいなぁと思います。
自分も、教員になりたての頃よりは経験がたまってきたと思いますが、でも、色々な人の話を聞けば聞くほど、まだまだだと思います。


単に「教える技術」だけでなく、こういうことも、色々な先生方に話を聞いてみたいなぁと思います。
生徒同士でも、彼らの「経験」を持ち寄って対話すると、(教員の助けがなくても)色々な気付きや学びがあるような気がします。


「どのタイミングで、誰に、どんな声かけをするとよいのか」、しばらく考えていきたいテーマです。