”問い”を作るための型

探究活動において、「問い」から始めることを重視しています。
しかし、「問い」を作ることは、生徒にとってはとても難しいことのようで、以前から「どうやったら問いが作れるようになりますか?」と聞かれることがありました。
しかし、なかなかうまく整理できず、かつ、色々探してみても、自分として「いい!」と思えるような「問い作りの型」を見つけることもできていませんでした。
そこで、生徒から出てきた様々な「問い」を分析しながら、自分なりの「型」を示そうとして整理してみました。


まず、「明文化された知識」があります。
それに対して、以下の発想で「問い」を作っていくことが可能です。


①5W1H


②比較


③ゆらい


④前提、枠組み


⑤関連付け


授業でも実施した「カイコの観察」からの問い作りを例に、これらの要素のイメージを説明します。


「カイコの幼虫は桑の葉だけを食べる」
①5W1H
Why なぜ桑しか食べないのか?
What 桑の葉から何を吸収しているのか?
Where 桑の木にしかいないのか?桑のどこを食べるのか?
When いつ食べているのか?
Who カイコ以外にも桑の葉を食べるものはいるのか?
How どのように桑の葉を見分けているか?


②比較
(個体内)時間帯、季節、環境
(種内個体間)個体差はあるか?
(種間)原種であるクワコと何が異なるか?


③ゆらい
カイコはどのような進化をしてきたか?
系統的にはどのような位置付けか?


④前提、枠組み
本当に桑しか食べないのか?


こんなイメージです。
型の最後に示した「⑤関連付け」については、「カイコの幼虫は桑の葉だけを食べる」という知識に対して、何か別な知識と関連づけることによって新しい発想を生み出すような方向性です。
それは「創造性」そのものだと思います。
ここについては、「どうやればいいか」のノウハウなど思考を深める必要があると思っています。


探究の過程について、「問い」があれば、その後の個別の過程については様々な「型」がすでに示されています。
問い作りに関しても、ここに提案した「型」も含めて様々な型が提案され、ブラッシュアップされ、探究活動がさらに広がり深まっていくといいなぁと思っています。