自分の力を発揮できないままに失敗したときは

TBSの「バース・デイ」で、松井秀喜さんと長嶋茂雄さんのドラフトの話が取り上げられていました。
阪神入りを熱望していた松井さんを、長嶋さんは何としても獲りたいと思った。
その理由は、甲子園で見た伝説の「五打席連続敬遠」のシーン。
五打席連続で敬遠されるほどの強打者だから惚れたのではなく、敬遠されてから一塁に走る姿を見て、その人間性に惚れ込んだという話。
「なるほどなぁ・・・」と思いました。

自分の力に自信があって、でも、それが周囲の環境のせいで十分に発揮できず、結果として関わっていたことが「失敗」に終わってしまった。
それは、忸怩たる思いがあることでしょうし、簡単に納得できることではないと思います。
後悔というよりは、自分に力を発揮させてくれなかった周囲に対して怒りの感情を持ってしまう方が普通のように思います。
しかし、松井さんはそうではなく、全てを受け入れて前に進もうとしていたのです。
そして、それをちゃんと見てくれている人がいて、さらなる松井伝説が始まったというわけです。

松井さん自身も、別な番組で、「あの五打席連続敬遠で、人間的に成長することができた」とポジティブに振り返っていました。
悔しいし、納得できない部分もあるけれど、いかにしてそれを自分の中で消化して前に進むか。
それを徹底的に考え、そして実際の行動に結びつけていたのだと思います。

納得できないことは、人生にはたくさんあります。
でも、それにただ怒りをぶつけるのではなく、できることなら「次」に繋げていけるように必死に考え、行動する。
そんなことの大切さを教えられたエピソードでした。