「変人から学ぶ、起業のイロハ・ビジネスのイロハ」メモ

2018年10月21日(日)
近未来ハイスクール
高校生企画!変人から学ぶ、起業のイロハ・ビジネスのイロハ
14:00~17:00@銀座グラスゲート
オブザーバー参加メモ


【職業人紹介】
●島田徹(株式会社プラムザ)
IT起業
BtoBの仕事(対企業)
会社内のシステムをつくる。
BtoBはあまり外に情報が出てこないので貴重な機会。


●佐藤浩志(カタパルトCEO代表取締役)
ブランディングディレクター
様々な会社のブランディングをしている。
金融、編集のバックグラウンド。
ミズナラでつくった「ます」の販売で3年前にクラウンドファンディングをやってみたり。


●舘田智(フェリックス・ウェイ有限会社代表取締役)
複業家
ネットマーケティングのコンサルタント、コーヒーの焙煎、バーのマスター、学校の講師、映像スタジオの運営など、「好き」を仕事にする
16回転職をしている。
そのたびに知識と経験を得ている。


【職業人プレゼン】
今やっていることで楽しくてしょうがないこと


●島田
色々な仕事に関われるのが面白い。
目の前にお客さんがいるので、いいものをつくればすぐ喜んでもらえる。
失敗するとめちゃくちゃ怒られるけれど・・・。


イベントをやるときに裏側をやるのが好きだった。
ビジネスをやりたい!という人の裏側をやってあげて、その人の「やりたい」を形にしてあげるのが楽しい。


●佐藤
お茶のブランディング
透明飲料のブランディング


美容室、居酒屋、飲食店、建築会社、色々やっている。
色々な業態の色々な人たちからかなり濃い話を聞かないとブランディングできない。
だから、業界の知識がものすごく増える。
仕事をやりながら勉強になる。


●舘田
コンサルの仕事では、企業の抱える課題を一緒に解決していくのが楽しい。
バーであれば、筋書きが全く読めないドラマの中で、自分が何かの「きっかけつくり」ができる場を持っているのが楽しい。


【質疑応答】
●佐藤
※起業する前に身につけておくとよい知識
「経験するものすべて」、特に「これ」ということはない。


※開業資金(資本)はどれくらい必要か?
税理士を頼んで、30万円くらいで起業できる。
起業したいならすぐしたらいい。
事前に勉強するより実際に経験して失敗する方がいい。
起業を目的にしては意味がない。
人生の目的がしっかりしてないと。
お金儲けだけが目的の起業はありえない。
どうやって社会に貢献していくのか。


※どんな風に起業したか?
アイノバというのは、制作会社として必要だったから立ち上げた。
もっと儲けるためにカタパルトを立ち上げた。


※一般の会社員と違う、起業家が得することは?
働き方がかなり違う。
一日2時間くらいしか働いていない。
1週間のうち3日くらい働いていない。


ただし、収入はある。
最初頑張った。
最初の15年くらいはうつ病みたいだった。


※起業する上で得たもの、犠牲にしたもの
「皆でワイワイやるのが好き」だったけれど、小さい会社だとそれができない。それを犠牲にした。


※一番大切なこと、持論は?
起業家として一番大切なことは「死なないこと」
破産したからってどうってことないじゃん、と思えばいい。
自分の価値観をもっていれば、お金がなくて死ぬこともない。
借りて返せなくなると最悪自殺になってしまう。
身一つあればなんでもできる、と思っていればいい。
100歳まで生きるなら、3回くらい破産したっていいんじゃないか?


※失敗談は?
本をつくっていたとき、両面に同じページが入ってしまったというミスがあった。
「ごめんなさい」してすり直しはしなかった。


タレント本が流行ったとき、あるタレントの本をつくろうと思って連絡をとった。
そうしたら、たった1日の差で他の出版社に決まってしまった。
かなりの利益を逃してしまった。


※時代が変容する中で生き残るために何が必要か?
その時代の「読み方」が大事。ちょっと「先読み」する。
40くらいまでは学ぶ期間が長くなる。
1回何かをしてから「次」にいくとか。


※おすすめの本
「巨富を築く13の条件」
何かがしたくてしょうがなくなる。


「ビジョナリーカンパニー」
起業するなら必ず読んでおけ。
ジョンソン&ジョンソンの異物混入された事件。
全部回収した。何億ドルかかった。
それをやったらつぶれるかもしれないと言われたけれど、ビジョンが「すべてのお客様に安全なものを届ける」だったので回収した。
そのことで評価された。


●舘田さん
※身につけておくべき知識
知識はいつでも学べる。
「この人いいな」という先輩を見つけておくのが大事。


※開業資金は?
有限会社をつくった。当時は300万円必要だった。株式会社は1000万円必要だった。
でも、今は1円からでもできる。
お金の信用ではなく人としての信用が大事。


※どんな風に起業したか?
最初は、本を買って、その通りにやった。
法務局で「会社の作り方」も教えてもらえる。
でも、手っ取り早いのは、会社を作った先輩に話を聞くこと。


※起業家が得することは?
お金の自由、仕事の自由、時間の自由という3つの自由があること。


※犠牲にしたことは?
あまりないけれど、「不安、危険、不安定」はある。
不安になっても解決しないし、やがて忘れる。
危険の度合いもそれぞれ。サバイバル感はある。
大企業でも安定しているわけではない。
サラリーマンしようが起業しようが不安定であることには変わりない。


※一番大切なこと
「何をやるか」よりも「誰とやるか」である。
一人でできることは限られている。


※失敗談
たくさんあるけどあんまり覚えていない。
いちいちひきずっていたら起業なんかできない。
忘れる力も大事。


一緒に仕事をしていた仲間がやめるというのはつらい。


※生き残るために必要なことは?
「飯を食える力」は本当に大事。
今は人手不足なので、何かしらで食べていくことはできる。
何か強みをもっていると、飯を食うための武器にできる。


新卒でセブンイレブンに入った。
今何も仕事がなくなっても、セブンイレブンで「スーパー店員」になれる自信はある。
「どうせ食えなくなることはない」と思えば何でもできる。
あとは「行動力」が大事。
セミナーとかで「すごく感動しました」「自分も何かやろうと思いました」という人、絶対にやらない。
何かやること。


メールが返ってこないなど、日常の些細なことは「まあ、いいか」と流すことも大事。


※おすすめの本
「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 」


「人を動かす」


「インベスターZ」(マンガ)
投資に関するマンガ。


お金を「稼ぐ」だけではなくて「増やす」ことも考えるとよい。


●島田
※身につけておくべき知識
「簿記」の知識は大事。
3級くらいの知識。


民法と商法についても勉強しておいた方がいい。
契約書に判子押すときにはこういう知識も必要。


※開業資金は?
人に頼むと50万円とか。
資本金はそれとはまったく別。
仕入れても、店舗を借りても簿記上はお金は減らない。


※どんなふうに起業したか?
プログラマーで始まったので、お客さんをみつけて「やらせてください」というところから始まった。
やり始めると、「自分よりすごい人がいるなぁ」と思った。
そうしたら、人を雇った方がいいと思い法人をつくった。


※起業家が得したこと
時間の自由、お金の使い道の自由。


※犠牲にしたもの
昔の友人と共通の話題が減る。


※持論は?
人のためにやっていないと面白くない。
でも、バランスが大事。


※失敗談は?
失敗する権利をもらえる、ということが大事だと言われる。
サラリーマンだと失敗する権利はほとんどない。
起業すると失敗する権利がある。


※生き残るために必要なことは?
雇用が流動化していく。
プログラマーでは、一つの起業にいながら、他のセミナーに参加したり、その中で引き抜きがあったり、転職が当たり前になってきている。
自分の中にスキルをつけることが「安定」につながる。


※おすすめの本は?
「人を動かす」
人と人との関係性を考えるために大事。


「嫌われる勇気」
突き抜けた人は割と嫌われると思うけれど、嫌われてもいいんじゃないの、というようなこと。


【ディスカッション】
・課題は何?
・解決方法は?


【プレゼンテーション】
●舘田チーム
「この場所」をどう利用してどう利用者を増やすか?
課題:2階がなかなか利用してもらえない。
1階は昼間はカフェ、夜はバー


アイデア
①料理教室
②モデルスペース
③上もカフェにしてみる。
④展覧会を企画


でも、「これをやったところで・・・」ということになってしまった。
駅から近いけど、場所がわかりにくい。
来てもなかなか2階まで来ない。
だったら、いっそのこと2階はいいや、としたらよいのでは?
完全に趣味のために使ってしまう。


この課題を提示した意図
最初のアイデア出しで妄想も含めてたくさん出すのがいいこと。
さらに、それを実現するためにいくらかかるか、いくら儲かるかというようなことを現実的に考えていく難しさを体感してもらおうということ。


※なぜ2階もカフェにしなかったのか?
普通のオフィスビルをリノベーションをしたときに、床をぶちぬいて階段をつけてしまった。
だから、1階だけでも借りられたけど、2階も借りてもらえるとということで借りた。
でも、「ゆったりくつろいでほしかった」ので、2階カフェはしたくなかった。
そこで、「貸し出してしまえばいい」という発想になった。
自分が今まで関わった人とのつながりを持ちたかったというのもあった。
人と深くつながっていくためには飲食は不可欠。だからキッチンをつけた。


利用料金を半額にするかという話もあったけれど、値下げは誰でもできるし最終手段。


稼ぎ方として1時間いくらでいくら売るか、ではなく、3か月に1台だけでも高級車を売ればいい、みたいな発想の転換があってもよい。


●島田チーム
課題:300万円で何かサービス考えてほしい、1年後に350万円にしてほしいという依頼がきたら?
→「社会常識」が高校生に足りない。これをどうするか?
解決策:ゲームをつくる
対戦型にする。


広告収入はあまり期待できない。
そうであれば、課金が重要。
どう課金するか?
知識欲が出たところでその先を知るために課金する。
文章でコンテンツにするのが重要。
「うごメモ」のようなもの。


300万円使ってものを仕入れて50万円にすればいい、という単純な話ではない。
人件費などの諸費用もすべて300万円でおさめて350万円にすることのむずかしさを体感してほしかった。
自信がなかったとしても、何か形にしてもっていかないといけない。
そういう難しさも感じてほしかった。


●佐藤チーム
課題:若者向けのお茶はどうやった売れるか?


「お茶」といえば何?
「お茶と合う食べ物」と言えば何?
和菓子とかお弁当とかの発想。


若者が今好きなものとお茶を組み合わせてみるのはどうか?
インスタとか。
CMなどにも、俳優などを起用しているだけで、商品そのもののアピールができていないのでは?
ユーチューバーを使う?
蛍光色のお茶をつくってみる?


CMは録画で飛ばされてしまうことが多い。
そうだとすると、ユーチューブに広告をのせるのがいいのではないか、ということになった。


※ラベルを使って栞をつくれるようにするとか?


※売る場所を変えてみる?


※LINEのポイントを付加するサービスを提案?


へんな形のペットボトルとかだと、作れるは作れるけれど、
流通のところで、「並べにくい」「壊れやすい」なんかの理由でアイデアははじかれてしまう。


※「逆張り」で考える。
人と同じ土俵で戦うと、強い人が勝つ。
だから、戦う土俵を変える。
例えば、「コンビニが主戦場」だとしたら、「コンビニでは絶対に売れないお茶」みたいなものを考えてみる。


【職業人からのコメント】
何を調べようと思ったら、周辺知識を学ぶために10冊本を買う。
ネットで調べてもよいけど、書籍もよい。


「転ばぬ先の杖」より、「一回失敗してみた方がいい」という発想の転換。
成功している人は皆必ず失敗している。早くやってみて失敗した方がいい。
何かやりたいことが見つかるまではお金を貯める。


ただ伸びればいいではない。
1、「失敗」とは、誰からみたときに「失敗」なのか?という視点
ソフトバンクがボーダフォンを買収したとき、最大の失敗だと言われた。「孫さん、終わったな」と言われた。
自分があきらめたときに「失敗」になる。そう思わない限りは、それは「失敗」ではなく「チャレンジへの過程」


2、「ものを売る」という行動をしてみたらいい
そうすると、「簿記」などの重要性もわかる。


3、会社の辞め方、たたみ方を考える
16回転職しているけれど、途中で投げ出すような辞め方はしたことがない。
変な辞め方をすると、それを覚えている人がいると信用されなくなってしまう。


4、自分の商品価値を知り、それを磨く
お金ではなく時間を投資する。


5、縁を大切にする
大事な縁ならば、半年に一回は用はなくても食事に行く。