「問題」を「構造」で深掘りする

今日のプログラムに、「Nested Theory」という演習がありました。
以下のようなレイヤーで問題を深掘りしていきます。


Personal:個人が抱える問題
Inter-personal:人間関係や相互の影響
Subsystem:組織やコミュニティの性質や習慣
System:社会の構造・文化


こうして問題を深掘りしていくと、どのレイヤーで関わるかによって、解決策が変わることがわかります。
例として、「過労死」が取り上げられていました。


例)過労死
Personal:睡眠時間が少ない、相談できる人がいない
Inter-personal:上司からの無理な要求、家族と話す時間がない
Subsystem:産業医のサポートがない、行き過ぎた成果主義、慢性的な人手不足
System:長時間労働を美徳とする日本の労働文化、厚労関連の法整備の遅れ


これに対して、例えば「カウンセラーをつける」ことで、個人の問題が解決するかもしれませんが、その上のレイヤーにはアプローチできていないということになります。
これをふまえて、自分なりの「問題」を深掘りしてみる時間がありました。
僕も、「練習」と思って、以下のようなことを考えてみました。


問題:大学入試に軸足を置く授業
Personal:限定された選択肢(大学入試以外の選択肢の不在)
、今までの慣例、蓄積されたノウハウ、将来への不安、時間の不足、効率化へのニーズ
Inter-personal:「成果」を認め合う文化、入試に向けてのマインドセット
Subsystem:「成果」を求める管理職・教育委員会、「偏差値」や「ランキング」による格付けと生徒募集
System:根強い学歴信奉、根強い学歴フィルター、学歴重視マインド、大学に替わるキャリアパスの不認知


ただ、ここで難しいのは、ここで指摘した「問題」は、実は当事者である「教師と生徒」がともに「困っていない」、つまり問題として認識されていないということです。
じゃあ、誰にとって問題かと言えば、「もしかしたら得られるかもしれない経験を得ることができない生徒」や「例えばチェンジメーカーとなるような人材を求める様々な人々」というようなことが考えられます。
練習問題としては、やや構造が複雑だなぁと思いつつ、とりあえずやってみました。
やってみて、問題の深掘りには有効なツールだと感じました。
今後、他の場面でも使ってみたいです。


今回のプログラムで個人的に一番取り組みたい「問題」は、「チェンジメーカーの不在」です。

これについては、明日以降深掘りしていきたいと思っています。