「チェンジメーカーを育てるために

第2回 学びの科学がくつがえした伝統的な教育観


この記事で言及されている「適応的熟達者が育つ環境として4つの条件」は、かなり重要だと感じました。


"(1)絶えず新奇な問題に遭遇しすることで「問い」が生まれ、解決しなければならない環境
(2)対話的な相互作用に従事する機会が多くあり、自分の考えを見直す機会が多い環境
(3)活動をこなすだけという忙しさから開放され、考える余裕が確保されている環境
(4)結果を重視する集団環境でなく、理解を重視する集団環境に所属していること"


授業、部活、行事で「チェンジメーカーを育てる」ための仕掛けや対話の中身、そして感じている課題は、ここに挙げられたポイントをチェックリスト的に活用することで思考が深まります。


今の自分には、条件(3)が「まさに」と思えるポイントでした。
「忙しさ」は、人を思考停止にするだけでなく、それを続けたことで充実感や満足感すら感じてしまい、活動の中身いかんに関わらず「いい経験だった」とされがちではないでしょうか。
自分自身が強く感じていた感覚が、このような整理された条件に合致することで、背中を押してもらったような気持ちです。


「忙しすぎる高校生活の罠」にはまらないように、教員も生徒も常に問い続けることが必要です。
その上で、教員としてどんな環境を整備したらよいかを考えることもまた必要だということです。


"「目標到達型・教授中心型」「目標到達型・学習者中心型」から「目標創出型・学習者中心型」へ転換することが欠かせない"


"「定型的熟達者」とは、一定の事柄を素早く正確にこなすことができる熟達者です。初心者に比べると熟達しているのですが、その行為の意味まで理解していなくても繰り返し「手続き」を練習することで実行可能となり、「目標到達型・教授中心型」「目標到達型・学習者中心型」で教授可能です。しかし、予期せぬ状況や異なる環境下では実行できません。いわば定型(ルーチン)はこなせるけど「応用がきかない」ということになります。
一方「適応的熟達者」とは、予期せぬ状況や異なる環境下になっても、自ら考え工夫してこなすことができる熟達者です。適応的熟達者は、行為の意味まで理解しており、常に向上心を持って、よりよい方法はないか「問い」を持ち、環境に応じて持っている知識を柔軟に組み替えたり加えたりしながら、新しい知識を構成していくことができます。"