「小さな変化」を生むということ

国立高校の文化祭が明後日の土曜日から始まります。
昨年度、予想以上の来場者があり、校内が大変な混雑になり、特に廊下の通行が難しいような状況がありました。
それに対して、実行委員会のある生徒が、新しいアイデアを発想し、それを形にしました。


自分の手の届く範囲で、「小さな変化」を生み、「よりよい文化祭」を創り出す。
これは、「チェンジメーカー」への第一歩だと思います。
それは、「今までこうやってきたから」というだけで「変化を避ける」ような保守的な姿勢とは全く違うものです。


もちろん、「不易と流行」という点から、「何でも変えればいい」というものではなく、「しっかりと伝えていくべきもの」もあると思います。
でも、それは「方法」というよりは、より抽象的な「理念」ではないかと思います。


「変化を避ける」姿勢は、あらゆる場面で幾度となく見てきましたし、その度に「どうすれば"小さな変化"を生める人」を増やすことができるだろうと悩んできました。
今も考え続けています。
その点で、今回の生徒の動きは、とても嬉しいものでした。


文化祭の様子を俯瞰すると、あらゆる場面、場所で、様々な課題が見つかります。
そんな「課題天国」というステキな状況の中で、まずは、その課題を見つけようとすること、そして、見つけた課題に対しては、「どうしたらそれを解決できるだろう」と考え抜くことが何より大切です


「変化を避けて、今まで通りを望む人」は、課題を見つけようとしないですし、もっと悪いことに、発見された課題に対しても見て見ぬ振りをしてしまうことすらあります。
それは、「変化を恐れる」というだけでなく、「今まで先輩や自分たちが積み上げてきたものを否定する勇気がない」ということかもしれません。


でも、「今の自分(もしくは自分たち)のやり方には必ず課題があり、それを解決していくことで必ず改善できる」という「健全な自己批判精神」はとても大切だと思います。


文化祭という年間で最大の行事での、各委員会、クラス、部活の生徒の様子を見て、思うところがあります。
チェンジメーカーを増やすために、これ以上ない機会だと思います。
でも、それをうまく活用できていない自分に毎年多くの課題を見出します。
その度に、ある仮説を持って取り組みますが、その営みに終わりはありません。
行事そのものはあと3日で終わりますが、その後の「振り返り」などを入れれば、まだまだできることはあります。
「小さな変化」をたくさん創り出すことを目指します。


また、ここで書いたことは、そのまま、教員の仕事ぶり(そして、その他の職業人の仕事ぶり)にも当てはまるものです。
「よりよい学校(そしてよりよい社会)」を創るための「小さな変化」を教員自身が作り続けることもまた、とても大切なことです。


誰もが皆、チェンジメーカーであり、そんな人々が立場も越え対話をし、さらによいものができる、学校がそんな「場」であって欲しいと強く思います。