能動的な読書の意義

「本当は文章を正しく読めない」のに「読めた気になってしまう」人の2つの特徴


1.「うまく要約できない」人は読めていない


2.「疑問を覚えない」人は読めていない


対話的な学びの一つの意味はここにあると思います。
学んだことを、説明・共有するために、すぐに言語化するトレーニングは、「結局どういうことなのか?」という要約力の訓練になります。
また、そのプロセスの中で、ただ読んだり聞いたりしているだけでは「わかったつもり」になってしまうことに対して、「あれ、ここうまく説明できななぁ・・・」とか、「これってどういうことだ・・・?」と思考につまづくことがあります。
このようなプロセスをたどると、ただ読み飛ばしているだけよりは「問い」を持ちやすくなります。


また、「要約」については、単に短くするだけでなく、「説明する対象」や「説明にかける分量」に応じて自由自在に書き分けられるというのも必要だろうと思います。
入試の時の論述演習は、そんなことも意識してもらって、こういう力のトレーニングとしています。


"どちらの特徴にも共通しているのは、「受け身の読書」をしている人は本当に読めるようにはならないということです。ちゃんと、「後からまとめよう」とか、「自分が疑問に思うことをしっかり自覚しよう」とか、そうやって「能動的な読書」をしている人が、真に文章が読める人なのです。
これは、「アウトプットの重視」と言い換えることもできると思います。読書してインプットした情報を、まとめたり、疑問を持ったりして、それを外に出してみる。この過程は、「アウトプット」にほかなりません。
このような「アウトプットを意識した能動的な読書」は、思考力を大きく鍛えることにつながります。受け身ではただの「インプット」しかできませんが、能動的な読書では「アウトプット」ができるようになる。
その過程で、自分の頭で考えて、まとめて、疑問に思い、そして外に出すという「思考力」の訓練ができるのです。"