お笑い芸人によるキャリア教育

2018年2月6日
都立小山台高校
井波先生授業見学メモ

お笑い芸人によるキャリア教育

生徒からの質問にざっくばらんに答える。

●参加芸人の方々
田畑祐一さん(田畑藤本)
たかまつななさん
アンテナ元気さん
むとパンさん

※話を面白くするには?
お笑い養成所、先生が擬音を使うことに衝撃を受けた。
これで面白くなる。
「たとえ」も話を面白くする。

ちょっと目を大きくする。
「本当にあなたはこの話を伝えたいの?」と思われたら伝わらなくなる。
目を大きくするだけで、伝わりやすくなる。

自分がヘラヘラすること。
シチュエーションがはっきりわかるように話すとよい。
「A君がこけた」だけでは面白くないけれど、シチュエーションを伝えられるといい。
落ちさえいければいい。情景を話しているときにはウケなくていい。
エピソードトークですべるのは、そこをはしょったとき。焦らずに話すことが重要。

※なぜ今の仕事をしているのか?
幼馴染の女の子の転校と聞いたとき、面白いことをいえなくて落ち込んだ。
すると、電信柱にぶつかった。それでその子は笑ってくれた。それが嬉しかった。
好きな人を笑顔にできるのが嬉しい。
それまでの何日間、一生懸命笑わそうとした。

かっこつけて生きたかった。
よしもとに入る前に俳優の勉強もしていた。
かっこつけると、周囲が笑っていた。
周囲からは芸人を勧められていた。
自分はなりたくなかったけど、結局そうなった。
「人を笑わしてるのが、君っぽいよ」と言われた。

※どんな努力をしていますか?
お笑い芸人は「努力」のしかたが難しい。
お笑いにルールはない。

もともとお笑いを見ていなかったので、劣等感がある。
だから、「数を打つ」ということをやっていた。
高校3年で月に20回から30回、横浜から東京出て行ってライブに出演していた。
その後も、学生をやりながら芸人をやっているので、お笑いにさける時間が少ない。
大学の先生に頼んで、5分間だけ前説をやらせてもらえるようにお願いした。
それでやった。
大学内で路上ライブもやった。
ひたすら数をこなすことをやった。
ずーっと勉強ばかりしていて、レールから外れるのが怖かった。
だから、「すべる」のは怖かった。
でも、テレビですべるより、この何人かの前ですべる方がいい、という開き直り。

芸人になって5か月。さんま御殿で思いっきりすべって落ち込んだ。
そのオンエアの時間に、街を歩いている人を見て「自分がすべったことを知らない人がまだこんなにいるじゃないか」と再び頑張る元気をもらった。

舞台で、新ネタを試して、思いっきりすべって、その中でうけたネタをテレビでやる。
失敗をおそれずに、どんどん新ネタをやっていく。
じゅんいちダビットソンは新ネタを試してすべりまくっていた。
でも、その一年後にはR1で優勝した。
こういうことなんだと思った。

「自分は面白い」と自分に言い聞かせる。
自分が今までで一番うけたときのライブのVTRを何度も見る。
その時の感覚を取り戻す。
いい時の自分を思い出す。

基本的に「すべってない」と思っている。
笑い声聞こえてなくても「すべってない」と思ってる。

※お笑いやってて楽しいですか?
2:8で頭抱えてる。でも魅力的。

※どうしたら堂々とふるまえるか?
緊張してる時ほど、観客の目を見た方がいい。

中学校でいじめられていたけれど、高校では知らない人ばかりなので、明るく話すことにした。
そうしたら人見知りも治せた。
しゃべったことのない人に、ちょっと元気よくしゃべってみたらいいのでは?

「伝えたい」という思いをもつこと。
「政治を伝えたい!」などのモチベーションが持てること。

※好きなことを仕事にするのに大切なこととは?
自分の頑張る力を知ること。
小学生のとき、足が速かった。
800m走で神奈川県でベスト8
でも、続けられなかった。
お笑いは、苦手だけど、楽しくて続けられてる。
自分が好きだったり、頑張れることをやるのは大事。

人生一度っきりしかないので、後悔しないこと。
興味があることには挑戦してほしい。

定時制出身。
入学時には9割の人ができる経験が経験できなかった、という状態。
卒業時には、1割の人間しか経験できないことを経験できた、という風に変わった。
だから、アメトークの「定時制芸人」に出られた。
自分が経験したことが自分の人生の財産だ。