2018年1月8日
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ見学会メモ
●ボノボ
アメリカからやってきた。
日本ではここにしかいない。6頭いる。
ボノボはメスが上位(チンパンジーはそうではない)。
仲良くする相手が決まっている。
ここにいる6頭は「険悪」である。
低いメスとかオスがいじめられたりしている。
チンパンジーも、いじめたりするけれど、「やめようよ」とか言ったり、すぐ仲直りしたりする。
●チンパンジー
チンパンジー、発情に周期があり、お尻が最もパンパンに張る時期1週間が交尾の時期。
オスは、これを毎日チェックする。
お尻の張り具合で、メスの順位も変わる。
お尻が張っているメスかいたら、ずっとお尻を追いかける。
オスは、パイプカットがしてあるので、交尾はするが、ここで繁殖することはない。
オスのみで暮らしているやつらはパイプカットしていない。
この日はネギとゴボウを食べていた。ゴボウとかけっこう好き。
オス複数だと、ものすごいケンカになってしまうので、オス1頭にメス複数が多い。
オスを複数にしているのは、年齢が離れていて、完全に上下関係が明らかな場合など。
メス同士のケンカは、αオスが間に入る。
オスがいないと延々とケンカする。
小集団だと、いじめが激化。
大きな集団だと、間に入るものが出てくるし、誰かがかならず友達になってくれる。
1日に5食から6食。
8時に中で。
その後、外で。
昼に中で。
その後、外で。
そして夕飯。
ざっくりと食事の時間を決めているが、きっちり決めない。
昨日見たオスは25歳。
●救急室
チンパンジーの若いオスで、心疾患で急に亡くなったりすることがある。
麻酔なしで心電図が取れるので、こまめにチェック。
さらに、一年に一回、麻酔下でエコーチェック。
吹き矢で麻酔する。
直前には鎮静の薬を与える。
チンパンジーは、野生でも肉食をしたりする。
コロブスなんかを食べることがある。
ここでも、迷い込んだハトを食べたりということもある。
新人飼育員は、けっこう攻撃されるので、危ない。
慣れてくると友達になる。
●展示室
チンパンジーのノゾミちゃんが、木の枝を編んでベッドを作っている。
散弾銃で撃たれたチンパンジー。
母親が死んだ時、その子を動物園で保護する。
動物園に来るのはそういう由来が多い。
チンパンジー同士で、耳や指、舌を噛み切られてしまうことがある。
舌を噛み切るなどは、かなり掟破り。
新人獣医さんが指を噛み切られた事例もある。
チンパンジーが攻撃して来るのは、怖いからというのが多い。
ケンカの原因。
混ぜて15分以内の混乱は人間のせいかもしれない。
それ以降は集団構成の問題の可能性。
仲が悪い個体をずっと一緒にしておくことで噛み切るような事故につながる。
しょっちゅう席替え、しょっちゅうクラス替え、のような対応をするようにしたら、かなり改善してきた。
チンパンジーはヒトによく似ているが、理性がない感じ。
でも、ケンカしてもすぐ仲直りする。
最長でも半日くらいで仲直り。
ケンカしたら、すぐに分けずに、仲直りさせてから分ける。
ボノボはかなり違う。
仲直りとかもないし、仲は悪いのはずっと悪い。
※企画してくださった大阪の岡本先生、ありがとうございました。