孫悟空の気持ちを味わう

ここのところ、「書籍からの学び」の重要性を感じています。

「うまくいっていないなぁ・・・」と思うとき、自分の経験から得られた知見を基に教育実践の改善を図るわけですが、なかなかうまく機能しないことも多いです。
そして、その悩みの多くは、「先人達もまたぶつかってきた壁」であることがほとんどです。

また、自らの経験から得られた知見により、教育実践を改善していき、ある程度「うまくいっている」状態を実現できているとき、そこに慢心が生まれます。
もちろん、「すべてが完璧」ということはありませんが、「けっこうイケてる??」くらいのことを思うことがある、ということです。
しかし、その慢心は適切な自己肯定感の範囲を超えて、成長阻害につながるかもしれません。

生徒にいつも言っています。
問題は起こった時に対処するものではなく、見つけるものである。
「うまくいっている」と思える状況でも、実はそこにある問題に気付けていないだけかもしれない。

まさに、自分自身の教育実践の改善も同じことだと思います。
しかし、先述したような「経験知の壁」があります。
経験知の壁を越えるための手段として、読書はとても強力な手段です。
そこには、果てしない「知」が広がっています。
その知に触れながら、自分の教育実践をふりかえるとき、自分の小ささを知ります。

「うまくいっていないこと」に関して、その原因や解決策のアイデアが見つかるかもしれません。
そうすると、目の前がひらけたような感覚を覚えます。
また、まだまだ知らないことだらけで、問題は山積していることを知ることもあります。
自分で認識していた問題はより鮮明になり、自分では「うまくいっている」と思っていいた部分にも課題が見つかる。
そして、恥ずかしい気持ちになります。
だからこそ、成長できる、ということもわかります。

これって、「孫悟空の気持ちを味わう」ってことなんだろうなぁと思います。
釈迦の手のひらの上の孫悟空、ということです。
自分の思う「果て」とか「最先端」なんて、果てしない「知」の世界では、ほんのちっぽけなことだなぁと思い知るのです。
でも、それは絶望感ではなく、むしろまだまだ広がる世界へのワクワク感です。
これもまた「孫悟空の気持ちを味わう」ということだと思います。
ドラゴンボールで、地球の存亡がかかっていても、強敵に挑む心境として「オラ、ワクワクしてきたぞ」と言う気持ち。
不安でフリーズするのではなく、ワクワクするのです。

この冬休みは、たまった仕事を消化しつつ、できるだけ読書をし、自分の小ささを知り、また果てしない知の世界にワクワクしたいと思います。