子供を被害者にも加害者にもしないために

ヨルダンでの青年海外協力隊の任務から帰ってきた窪田君の話で最も衝撃的だったのは以下の話。

⚫︎パレスチナを追い出された日には、イスラエルを非難する作文を子どもが読み、イスラエル国旗を燃やし、皆で盛り上がる。

普段はとても「いい人」たちが、この日は国旗を燃やして歓声をあげる。
しかも、それが学校の中で行われている。
問題はとてもとても根深いものなのだと思い知らされます。
ある意味では「どうしようもない」悲しい状況があります。
でも、窪田君は、これからの人生でも何らかの形で難民支援に関わりたいと言っていました。

一連の話を聞いて、彼の担任をしていた時に考えていたことを色々思い出しました。
彼は、協力隊に志願した最初のきっかけは、僕が授業で話をしたことだと言っていました。
当時、僕は必ず青年海外協力隊に参加しようと思っていましたし、そこまでの人生プランも考えていました。
しかし、結局は参加しないまま、今日まで来てしまいました。

今は今で、自分なりにできることはやれていると思います。
でも、難民問題などが「遠い外国の話」になってしまっているかもしれません。
そしてそれは、当時の自分から見れば悲しいことかもしれません。

窪田君の話を聞いてから、Mr.Childrenの「タガタメ」の歌詞がずっと心にあります。

"子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
でももしも被害者に 加害者になったとき
出来ることと言えば
涙を流し 瞼を腫らし
祈るほかにないのか?"

今、自分の時間と労力を、国際協力等に直接使うことはなかなか難しい状況です。
でも、高校生に何かを伝えていくことは、今の自分にもできます。
以前は、毎年、年明けの授業などで色々な話をしていました。
でも、ここのところ、それもしていません。
こういう話をすることに躊躇する自分がいたのかもしれません。
今年度はどこかで何らかの形で高校生に何かを伝えてみようと思います。
色々なことを考えるきっかけをもらえました。
窪田君との対話に感謝です。