ヨルダンのパレスチナ難民キャンプの話

井草高校で担任をした卒業生の窪田君と、本当に久しぶりに会いました。
1月まで、青年海外協力隊でヨルダンに派遣されており、パレスチナ難民キャンプの学校で体育教師として働いてきたそうです。
以下、聞いた話のメモです。

⚫︎ヨルダンは人口600万人だが、そこに難民の数は入っていない(「国民」ではない)。
⚫︎パレスチナ難民の数は200万人で、現在は3世代目に入っている。
⚫︎シリア難民も100万人くらいいる。
★そんなにたくさん難民がいるとは(人数も、割合も)、知らなかった。
⚫︎各家庭でたくさん子供をつくるので、人口は増えていている(もともと60万人程度だった)。
⚫︎「難民」であることで様々な制約がある。
★だったらなぜヨルダン国民になろうとしないのだろう?
⚫︎「必ずいつかは戻る」という強い決意とパレスチナ人としての誇りで、ほとんどの人はヨルダン国民にはならない。
★難民たちの生活を支える財源は何か?
⚫︎国連から難民支援で国にお金が支払われている。そのお金を使って難民キャンプを運営する。
★難民たちは、仕事もそれ以外も、全てキャンプの中で過ごしているのか?
⚫︎難民でも、キャンプをでて「街」に行くことは自由で、仕事を「街」でしている人もいる。
⚫︎生活で最も重視されているのは宗教。
★生活で困ったことは?
⚫︎学校では、授業中でもお祈りでいなくなってしまう人もいる。
⚫︎夜明けとともにものすごい音量でお祈りを促す放送が流れるので目が覚めてしまう。
⚫︎ものすごくイスラム教への改宗を勧められる。
⚫︎水タバコを吸う人がたくさんいる。
⚫︎ヨルダン国民の中には、難民に対して、仕事を奪われたという負の感情を持つ人もいる。
★高校生は学校が終わると普段何をしているのか?
⚫︎高校生の楽しみは、「プレステ」という場所でプレイステーションをすること。いたるところにプレステはある。
⚫︎学校は、小中高が同じ校舎。小学校と中学高校が、時間帯で入れ替わる。朝から昼までと、昼から夕方まで。1ヶ月ごとに入れ替わる。
★美味しい食べ物は?
⚫︎羊肉は美味しい。ラクダ肉は硬くて筋があって独特。
⚫︎いたるところにラクダがいる。
⚫︎スマホを持っている人も多い。Wi-Fi環境も整っている。iPhoneもあるが、けっこう高い。
★仕事終わりは何をして過ごしていた?
⚫︎いきつけのお店に行ってコーヒを飲みながらおしゃべりをしたりする。ご飯も、家に招かれてごちそうになったりもした。空手の師範に誘われて、空手道場にも通った。
⚫︎空手に限らず、習い事のようなものはいくつかあるようだ。
★協力隊としてできたことは?
⚫︎体育教師として赴任。サッカーボールが一つ、というような環境で、とりあえずサッカーをするというような授業を何とかしたかった。ハンドボールを授業に取り入れた。また、大縄跳びやリレーなども教えてあげた。イベントも立ち上げた。もっとできることはあったかもしれないが、色々考えて実行はできた。