人は皆死ぬまで「途中の人」

オイシックスの奥谷さんは、いつも「自分も高校生と同じ『途中の人』だから」と話をされます。
完成されることなんかない、常に成長の途上にある、ということだと思います。
そして、同じ「途中の人」だから、どっちが偉いということもないし、たまたま自分がいろいろ経験しているからそのことについてはお話しできるというだけ、というスタンスがあります。

実際に、無印良品を退社してオイシックスに移るときのお話や、一橋大学大学院に通うことを決めたお話などを伺うと、まさに「途中の人」を体現されていると思います。
「自分なんてまだまだ」という言葉も何度も出てきますが、それは自分を卑下するような、自己肯定感が下がった状態からのものではなく、「途中の人」であることの確認作業のようなものに感じました。
だから、「自分なんてまだまだ」と同時に、「でも今の自分はこういうことができて、次にこういうこともしたいから、こんな力も身につけないと」という具体的かつ合理的な戦略もセットになっており、それが本当に魅力的です。

僕自身も、色々な人に会って、色々な話を聞くたびに、「自分なんてまだまだ」だと思うことばかりです。
もっともっと若い時であれば、「自分はなんてどうしようもない人間なんだろう・・・」と自己肯定感を下げてしまうこともままありましたが、今は違います。
自分のビジョンに沿って、「どうすれば自分はもっと成長できるか」を考え、そしてそれに基づいて行動できるようになってきました。
奥谷さんのお話を伺うと、そんな自分も含めて「自分なんてまだまだ」と思うわけですが、それは未来のまだ見ぬ自分にワクワクできる感覚です。
奥谷さんも、「10年後何やってるかなんてわからない」とおっしゃってしますが、常に未来にワクワクしているようでした。

人は皆、死ぬまで「途中の人」
この感覚は言葉で伝えるものではなく、生き方で見せていくもの、生き方から感じてもらうものだと思います。
生徒から「途中の人」と思ってもらえるような、何らかの挑戦をずっと続けていこうと強く感じました。