生徒が決める授業プラン

昨日の1年生の授業では、新しい試みをしてみました。
考査後アンケートの集計結果を配布し、数字や自由記述の内容を共有します。

自由記述では、例えば以下のような記述がありました。

⚫︎もう少し講義をしてほしい。
⚫︎アクティブラーニングは良いと思うが、個人的には講義の時間がもう少しあったほうがわかるようになっていいと思う。
⚫︎グループをランダムにすることで授業の「飽き」は改善できると思うが、ランダムにすると進行度にばらつきが見られごちゃごちゃになる。固定グループにすることで進行度、相手が誰なのかが理解できるので安心できる。
⚫︎グループごとに進行速度が違うから、次の時間に進度を合わせるのが面倒。で効率が悪い。
⚫︎アクティブラーニングをやめて授業をやって欲しい。
⚫︎パフのところのように説明が抜けていたところがあったので忘れずにちゃんと説明してほしい。
⚫︎教科書を読んでもわからないので講義をしてほしいです。

まだ苦しんでいる人もいるし、授業に改善を望んでいる人もいる。
そこで、「次の考査までの授業をどうするか、皆で話し合って欲しい」と伝えました。
僕から提示した論点は、
⚫︎講義をどうするのか?
⚫︎グループワークをどうするのか?
⚫︎教員をどう「使う」のか?
⚫︎進行速度はどうするのか?
というようなことです。
50分講義して欲しいと皆が思えばそうするし、グループもランダム4人組でなくてもよいと例示もしました。

後の時間は生徒に委ねましたが、かなり戸惑っているようでした。
最初はなかなか議論が進まず、停滞していたので、少しだけ介入しました。

いい会議とは、「いつまでに」「何を決めるか」がはっきりしている。
逆に、それがない会議は、ダラダラと、生産的でない時間が流れていくことになる。
この場では、いつまでに何を決めるか共有されていますか?

40人の集団の中で意見を言うのは難しい。
それは、誰も意見がない、のではなく、意見は持っているけれど言いにくい、のかもしれない。
だから、よく使う手法として、いったん4人くらいのグループで話し合ってもらい、そこで出た意見を共有するということがある。

これらを聞いて、「論点整理」がされ、グループでの話し合いが始まり、それに引き続く会議でも活発に意見が出されました。

例えば、
⚫︎教科書を読んでくる前提で授業時間の活用を考える
→それは厳しい・・・

⚫︎長時間の講義をしてもらいたい
→まさか50分全部じゃないよね??
→そもそも、ここでいう講義って、どんな中身のものを言ってる?
→聞きたい人だけ聞けばよくね?
などなど。

紆余曲折ありましたが、とりあえず次回の授業は「30分間、基礎的な内容について講義する」ことになりました。

議論を聞いていて感じたのは、「話し合いはなくして、全部講義にしよう」という意見がちょっと出たときに、「それはさすがにない」と、多くの生徒が対話の価値を主張していたことです。

単に「楽な方」ではなく、「どうすればもっとこの授業をよくできるか」について、生徒自身が当事者意識を持って考え、そしてトライしてみることに価値があると思っています。
残りのクラスでも、この話し合いをしてもらい、自分たちで授業デザインを決めてもらおうと思っています。
一回やってみて、すでに改善したいことも見えてきたので、火曜日はそれを試してみようと思います。
教員もPDCAサイクルを回していくことが大切です。

この「方法」がどんなことに行き着くかはわかりませんが、どうなっていくか楽しみです。
生徒と「共に創る授業」をさらに深めていきたいと思います。