大学生が作成した課題

今日の東京農工大学での理科教育法の集中講義で学生さんが作成した課題を許可を得た上で転載します。
作成時間は40分で、かなりタイトでしたが、こちらの予想を超える取り組みで、充実した時間となりました。

それぞれのグループのテーマは以下のようなものです。

⚫︎水力発電と環境負荷
⚫︎光合成のしくみと適応
⚫︎DNAとRNAの性質の違い
⚫︎減数分裂と体細胞分裂の違い
⚫︎物質の分離の原理
⚫︎生態系と人間社会の関係
⚫︎適応放散の条件
⚫︎クマと里山

この活動の前に、僕が作成した課題をグループワークで取り組んでもらい、その後に課題の設定に関してメタ認知をしてもらっていたので、「基礎課題としてはこんなのでどう?」「それは発展課題じゃない?」「この課題で得た知識を活用して何を考えてもらうかだなぁ・・・」という、あたかも教員研修で教員がするような対話が普通に展開されていて驚きました。

課題作成後の15分での他グループの課題の取り組みも集中力が高かったですし、何といってもその後の振り返りが素晴らしかったです。
お互いがお互いのグループに、課題に実際に取り組んでみたときに感じた問題点(これは問題発見!)を伝え、具体的な改善の提案もしている姿に驚きました。
例えば、「この部分にはけっこう飛躍があるから、こういう課題を入れたらいいのでは?」とか、「この課題はどういう意図?・・・なるほど、それなら、ここをこういう聞き方にした方がわかりやすい」とか。

さらに素晴らしいのは、その振り返りの直後に、わずか5分という時間でも、しっかりと自分たちの課題を修正して、2回目の活動までにしっかりと改善ができていたことです。

参加していた学生の多くは2年生でした。
それで、たった1日で、ここまでの活動が自分たちだけで展開できることに驚きました。

やはり、大学生にはとてつもないポテンシャルがあります。
でも、学生さんの話を聞くと、それをしっかりと引き出す授業が少ないようです。
そうだとすると、それはとてもとてももったいないことです。

学生の主体性をつぶすのではなく、主体性を引き出し、持っている可能性を引き出せるような授業デザイン、それだけで大きく学びの質が変わるような気がします。

僕自身も、このような「課題を作成してもらい、それを交換して相互になって実施」というのは今日初めて実施しましたが、十分できるという一つのエビデンスを得ることができました。
こういう機会をもらえて、本当にありごたいなぁと思います。