東京ディズニーシー・ザ・ベストが発売になりました。
「もう一度見たい!」というショーがいくつもフルヴァージョンで収録されていて、本当に本当に嬉しいBOXです。
その中でも特に、今でも心に残っていて、どうしてももう一度見たかったショーが「ミッキーのドリームカンパニー」。
このショーは、東京ディズニーリゾート25周年に東京ディズニーシーで開催されたショーで、ニューヨークでダンサーを目指す主人公の女の子がオーディションを受け、挫折し、でも再び挑戦し・・・という内容です。
初見の時に驚いたのが、全編がミュージカル、しかもほとんどがオリジナルの曲で構成されているということ。
ディズニーの底力を見た思いがしました。
曲も、どれも素晴らしく、ストーリーの良さもあり、初見時にも思わず涙を流してしまうほど感動したショーでした。
7年がたち、再び見たこのショー。
「夢をあきらめない、夢にくらいつく」というストレートなメッセージが、とても胸に響きます。
それは、冷静に見ればとても「青臭い」ものなのですが、ショー中に出てくる挫折や、そこからの回復のプロセスなど、いつかの自分に重なるものを感じ、「あぁ・・・」と感情移入してしまうのです。
7年たっても、「本当に素晴らしいショーだなぁ・・・」という感動は変わりません。
でも、感じ方はかなり変わりました。
7年前の当時は、自分なりの「青臭い夢」があり、それを目指しつつ、うまくいったりいかなかったりという日々でした。
そして、ショーの内容をそのまま自分に重ねて見ていたはずです。
7年たった今は、その当時の「青臭い夢」のいくつかは「現実」として動き始めています。
それ自体はとても喜ばしいことなのですが、同時に、7年前に持っていたような「青臭い夢」が消えてしまっているような感覚を覚えました。
主人公のマーガレットを見て、「昔の自分もこんなことがあったなぁ・・・」という懐かしい気持ちではなく、「こういう気持ちは、いつどこで消えてしまったんだろう」と、そんなことが胸によぎりました。
そして、青臭くても明確な「夢」を持ち、そこに向けてがむしゃらになっているマーガレットを見て、うらやましいなぁと思ってしまいました。
7年前の自分に戻りたいという気持ちはありませんが、でも、あの頃にあって、今は失くしつつあるような何かに対して「取り戻したい」という気持ちが湧きます。
それは「青臭い夢」なのかもしれません。
今の自分には、「ビジョン」は明確にありますし、それを軸に生きているつもりです。
でも、そこに「青臭さ」を感じることはなく、そのことに気付いてしまうと、なんだか悲しいような寂しいような気持ちになるのです。
今、日々文化祭の準備をする生徒や、部活に打ち込む生徒の姿を見て、そして対話しています。
彼らの、「青臭くてストレートな生き様」に、ツッコミを入れつつ、でも「いいなぁ」と思うのです。
それは、今の自分が失くしつつあるものを彼らが持っているからなのかもしれません。
「青臭い」ことは、そのことをメタ認知してしまうと、本当に気恥ずかしいことだったりします。
でも、その上でなお、青臭い自分をさらけ出し、青臭いメッセージを発せられるような人はすごいと思います。
僕の感じる「すごい人」は、皆そんな人ばかりです。
そして、それは今の僕にはないものなのだろうと感じます。
「ミッキーのドリームカンパニー」は、時を超えてなお自分に語りかけ、そして思考する機会をくれました。
明日から少し生活のスピード感も遅くなるはずです。
この夏に心に留めておきたい思考の材料です。