4月4日「第4回くにたち会」メモ

⚫︎問題解決について
その議論は問題解決に向いているか?
ディベートではなく、対話。
対話は意見を変えるために行う。
意見を変える前提がなければ、それは対話ではない。
勝つとか負けるとか、そういうことではない。

⚫︎教師教育に関して
生徒に対しても、教員に対しても、「教える」ではなく「引き出す」。
「教師教育」は、教える・教えられるという関係性ではうまくいかない。

⚫︎進学校のタイプ
教員主導型
塾予備校主導型
生徒主導型

例えば、東大受験に関して言えば、合格の理由として・・・
「教員の指導力で合格させた」→「先生のおかげで合格できた」
「塾予備校の指導力で合格させた」→「先生のおかげで合格できた」
「生徒自身の力で合格を勝ち取った」→「自分たちで合格を勝ち取った」
実際には、生徒主導型でも、「高校の先生のおかげ」「塾予備校の先生のおかげ」ということはあるだろうが、最終的に「最後は自分で頑張って合格した」と言って進学し、その先の学びを切り開いていけるかどうか。

ある進学校は、東大合格者数は多かったが、入学後の留年率が高いというデータがあった。
→依存性の高い生徒を育ててしまっていたのではないかという反省
→生徒主導型への移行を模索
→東大合格者数の減少
→時間が経って、V字回復。合格者数は同程度でも、質が全然違っている。

⚫︎よき納税者
http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/41bef0fb74642611d29caab461fcaeeeより引用
"池上彰・・・・「よき納税者を育てること」だ。きちんとした学力をつける。→きちんと働けて、きちんと収入を得られる。→納税できる。→次のせだいを支えていく財源が生まれる。→よき市民を育てていく。→住みやすい社会をつくっていく。→自然と国を愛する。"

⚫︎柔軟に変わり続けようとする人とは
「困っている人」か「成長したい人」
困ってもいないし、成長欲求もなくこのままでよいという人は変わらない。

そのような人にどのようにアプローチすればよいか?
困っている人から困っている具体的な内容を引き出す。
もしくは、「これは困る!」ということに気付いてもらう。
※実際には困っていたとしても、「困っている」ことを表明できない何らかの外圧がある場合もある。その場合には、安全を保障してあげた上で本音を引き出すことも重要。

「もっと成長したい!」という気持ちを引き出す。
must、shouldではなく、wantを引き出す。

⚫︎リーダーについて
リーダーの資質が必要な職業はたくさんある。
だから、必要な数は減らない。
しかし、少子化によって母数が減る。
リーダーの割合が増えないとすると、資質がないリーダーが増えることになる。
すると、リーダーの質が低下する。
より多くのリーダーを育成していく必要がある。

⚫︎教育現場とブラック現場
教育現場がブラックであることを叫ばないと、現場が変わらない。
部活動指導のブラックな状況など、報道される機会も増えてきている。
しかし、一方では教員がブラックだと叫びすると教員の質が低下する。
力のある人は、「ブラック」とわかっている職業を選ばなくなるから。
某地域では、英語の4技能ができる教員は3年で辞めてしまうケースもあるらしい。他から引き抜かれる。

「忙しい忙しいとはいうけれど、何がそんなに忙しいのか」を教員はきちんと説明できなければ伝わらない。

⚫︎思いと形
学校の行事や部活の「現在の姿」は、長い期間で淘汰されて残ってきた形。
当初はそこに思いがあったかもしれない。
しかし、時間が経つと、思いが消えて形だけが残る。
そして形を残すことが価値になったりしてしまう。
思いがなくなった形あるいは伝統をどうしていくかを考える必要がある。
※別なところで、「昨年と同じであれば例年通りとなる」という話が。ならば、「数年やったら伝統」ということになりかねない?

⚫︎AL型授業の参加者の実践報告
安心感を高める工夫によりアンケートの結果が向上。
ある科目で共通試験の平均点が10点違う。
うるさくて手を焼くクラスほどアクティブラーニングで活気が出て成績が向上。