中学生向けの公開講座

今日の午後は、中学生向けの公開講座を担当しました。
テーマは「細胞をよく見て考える」ということで、顕微鏡の実習でした。


実習に入る前のイントロダクション、昨年は少し「用意した講義」をやったのですが、今年度は参加者からの「問い」で対話したいと思っていました。
そこで、首都大学東京の松浦先生の方法を使わせていただきました。
以下のようなものです。


●参加者は必ず一つは質問する。
●質問は、提示されているものから選んでもよい。
●提示された質問以外の質問も自由にしてよい。
●二回以上質問してもよい


予定していたのは30分でしたが、盛り上がって15名ほどの参加者に対して40分ほど対話しました。
一方的な講義よりはるかに集中してくれますし、興味を持ってくれている感覚があります。
そうして、「細胞」とか「生物」に興味を持ってもらうのと同時に、空間の緊張感もほぐれてくれました。
質問を提示しておく、という松浦方式は初めて実施しましたが、その強力さに驚きました。
こういう単発のイベントでは特に使えると思いました。


実習自体は、高校で実施している実習をほぼそのまま持ってきました。
顕微鏡の使用法を習得してから、各自で好きなものを自由に観察する、という流れです。
後半の実習では、


●キウイフルーツの細胞にびっくり
●トマトの様々な部位の比較して違いにびっくり
●生のジャガイモ、肉じゃがのジャガイモの比較 (ヨウ素液使用)で、デンプン粒の変化にびっくり
●ポテトチップスでも「細胞」が見えることにびっくり
●ゾウリムシとミドリムシの動きにびっくり
●腐ったスープの中でうごめくものたちにびっくり
●自分の爪にも細胞があってびっくり


など、色々なびっくりがあったようです。


まどみちおさんの
「人生には?と!があればいい」
という言葉が思い出されます。
公開講座でそんな体験ができれば、きっとこの先につながるはずです。
参加してくれた中学生は、皆笑顔で帰って行きました。


僕自身も、新しい試みに対して、参加者の皆さんから多くの学びを得ました。
こういう成長の場を得られることに感謝です。

 

公開講座のアンケートの一部です。

 

面白いことと出会うこと
よく見ること
考えること
そして楽しむこと


参加した中学生たちは非常によい表情をしていました。
彼らにとって何らかの意味のある体験になっていればと願います。


●一番大事だと思ったこと
・身近なことに疑問を持ち、いろいろな方法で調べる。
・不思議に思ったことや、どうなのか気になった場合はしっかり見ること大事だということ。考えると新しいことがわかったりできたから。
・楽しむと新たな発見がある。
・生物の体は細胞でつくられているということ。それが分かっているから、観察したものも理解できた。


●感想
・今まで知らなかったことがたくさん分かって、とてもささいなことに感動したり、とても素敵な時間でした。
・今までやったことがなかったことをしたり、疑問に思ったことを考えたりできて、とても良い経験になりました。理科を好きになれたような気がします。
・今まで一つの物事に対して結果を覚えていたりしただけが、今日はなぜ細胞がないと生きることができないのかなど、新しい疑問を感じることができた。
・中学ではあまり試験を気にして、理科自体におもしろみを感じなかったが、今日は自分の好きなものを見たり、楽しく実験をすることができた。