受験対策も自動運行モードへ

昨日、ある高校の方に授業見学に来ていただきました。
終了後の情報交換で、こんな話しがありました。


「講義は最初の10分?15分だけで、あとは生徒に任せる」授業を展開している。
でも、生徒はやはり不安なのか解説を求めてくる。
冬季講習などもどうしようか悩んでいる。


そこで、隣で自習していた理系生物クラスの3年生数名に声をかけ、少しだけお話ししてもらいました。
以下、僕と生徒とのやり取りです。


この高校では、最初に10分くらい講義があるだけだけど、もっと解説してほしいと言っている。どう思う?


えっ?何で講義が必要なんですか?別にいらないような・・・。


講義がなくても大丈夫?


皆で解決しながら進むから、別に大丈夫だと思いますけど・・・。


冒頭に10分講義したら?


いらないです。
教科書の範囲も一通り終わってるんだから、もう先生することないですよね?


範囲が一通り終わったら、入試の演習とか、問題集の発展問題の解説とか、入試のテクニックとか、そんな講義があったりもすると思うんだけど。


問題集は自分たちでできるし、別に講義はいらないかなぁ・・・。


わからない問題があったときは?


皆で話し合って解決していきます。


それでもわからなかったら?


そのときは先生に質問します。
でも、聞いてわかっても「悔しい」って思いますね。
自分たちだけで解決できなかったなって。


※やり取りここまで


見学に来た方は、「やっぱりこうですよね。そうですよね」と、目指したい方向を確認されたようです。
どうやったら、こういう雰囲気になるかと聞かれたので、当初の「チーム作り」を目的とする授業についても情報共有しました。


僕自身、生徒に「他の高校で似たようなことをやっていて、講義が欲しいと言っているらしいんだけど・・・」と聞いたときに「えっ??何でですか?」とキョトンとしていた生徒を見て、やや驚きました。


放課後も、同じ部屋で、基本は個別学習ですが、ときに教え合っているようです。
授業中は、かなり活発に対話をして学習を進めていますが、放課後は個々に集中しており、明らかにモードが切り替わっています。
ときに、楽しげな笑い声も聞こえてくるので、そこでのオンとオフの切り替えもできているようです。
ずっとオンでは息が詰まります。


この段階になって、協働→個別→協働・・・という往還がうまくいっているのだと思います。
もはや、僕が何か手立てを講じる必要はなく、彼らが自分たちで受験に向けて学習を進めています。
僕はこの状態を「自動運行モード」と呼んでいます。
今年も理系生物は自動運行モードになってきました。


あとは、嫌がられるかもしれないけれど、卒業までに、僕なりに考えていることのいくつかを彼らに伝えてみようと思います。