沸き立つ気持ちと30代

宮崎駿さんを取り上げたNHKスペシャル、見入ってしまいました。
この「在り方」、やはり凄まじいです。
今の感覚だと「ブラック」とも形容されそうなものですが、でも、「ものづくり」に対する凄まじさを感じました。
これは、映像をテキストで起こしても伝わるものではありません。
何を語ったかも重要ですが、それがどのように語られたか、その人そのものの「在り方」を映像からでも感じることが、とても意味あることに思えます。


宮崎さんがこんな言葉を言っていました。


"30代とか40代の沸き立つような気持ちなんて持ちようがない"


そうか、30代ってのは、「沸き立つ気持ち」があって、がむしゃらにやる時期なのだ、と思いました。
70代で人生を俯瞰し、そこで位置付けた30代、40代の意味は大きいと思いました。


僕も日々様々な刺激を受けます。
様々な情報にさらされます。
その中で、「沸き立つもの」もあります。
それを形にしていくとしたら、今この時なのだろうと思います。


こんなことも言っていました。


"自分が好きだった映画はストーリーで好きになったんじゃない。
ワンショット見た瞬間に「これはすばらしい」って
それが映画だと思ってるから"


監督をされて映画には、どのワンショットにも、宮崎駿の「在り方」が表現されているのだろうと思います。
そして、それが観客を感動させるのでしょう。


僕も、適当に肩の力を入れ抜きながら、でも自分の人生のワンショットにこだわりを持ちたい、そんなことを思いました。


こんなことも言っていました。
一つ一つが響きます。


"映画できちゃったときに情けない思いをしないことが一番大事だから
ああ、やっときゃよかったってことが絶対ないように
やったけどダメだったねってほうがましなんだよ。
本当にそうなの。
本当にそうだからね、これは。"


よく聞くような内容ですが、最後の2行の語りは、本当に切迫感があり、棟に迫りました。


"世界は美しいって映画を作るんだよね。
気がつかないだけで世界は美しいよって
そういう目で見たいだけなんだよ。"


こんなにストレートに語られると恥ずかしくもなりますが、僕も同じ気持ちです。
「世界は美しい」、それを誰かに伝えられれば、それは人生の幸せそのものだと思います。


実現するかわからない長編映画、出来上がりも楽しみですが、それとどう向き合っていくのか、宮崎駿という「在り方」をもっと見たいと思いました。