幸せな記憶を持つということ

映画「君の名は」、少し前に見てきました。
映画の中でこんなセリフがありました。


記憶の中であっても人を温め続けてくれるような風景


とても印象に残っています。
教育改革で「資質・能力の育成」が重視されています。
大学では高校に先行して「質保証」の考え方から様々な議論も行われてきています。
でも。


もっと単純に、高校時代に、「自分を温め続けてくれるような記憶」が持てることも大事なのだと思います。
そんな感覚は数年前から持っていましたが、この映画でもこんなセリフで登場してハッとしました。


以前も紹介しましたが、中脇初枝さんの「きみはいい子」という小説に、こんな一節があります。


”たとえ別れても、二度と会わなくても、一緒にいた場所がなくなってしまったとしても、幸せなひとときがあった記憶が、それからの一生を支えてくれる。
どんなに不幸なことがあったとしても、その記憶が自分を救ってくれる。”


ある小学校の先生は、小学校で大切なことは「幸せな子供時代を過ごす」ことだと言っていました。
これって、「資質・能力の育成」とともに、あるいはそれ以上に大切なことなのかもしれません。


僕にも、「自分を温め続けてくれる記憶」があります。
記憶の中で、僕に語りかけてくれる人がいます。
それが、今の自分を支えてくれる一つの大きな力になっています。
結局、「幸せな人生を送る」ことがまずは大切です。


幸せな記憶、幸せな景色は、人を温め続けてくれることもありますが、ときに後ろ向きな人生にしてしまうこともあるでしょう。
全ては心の構え次第です。


「幸せな記憶」を増やせること、そして、それを前向きな生き方・考え方につなげていくこと。
学校教育に大切なことだと思います。