京都工学院高校訪問メモ

京都工学院高校訪問メモ
★は自分の気づき等


【授業見学:高1国語】
●導入の話
授業の本題に入る前のお話。
ところどころで、あえて(のように感じました)難しい語を使用し、それを板書。
★タブレットの使用の「日常化」を促している?また、学びを広げようと思えば広げられるような仕掛けにも思える。


●価値観は認める。ただし、それぞれで根拠付けを。
★「根拠付け」を日常化することを促している。


●ペアワーク、本文の確認。
★参加していない生徒がいても、そこに無理に働きかけない。それが安心感を生むだろう。


●読了したら、欄外の語句調べ。ノートにメモなど。
★主体的な学びを促すしかけ。やろうと思えばどうとでもできるしかけ。


●本文の基本的な読解
4人グループに。
「分担しながらまとめよう」という促し。
→最初はわーっと話すが、その後は落ち着く。
教員は穏やかに机間巡視。
→皆、取り組んでいる。ただし、かなり個人の作業になってはいる。たまにお互いで確認。
★教室に安心感はあるように見える。


●シェーンハイマーはどんな人?
→ドイツ、ユダヤ人、亡命、というキーワードから、調べ学習を促す。
★自分で情報を取りに行く練習。
★「気付き」を得られるような様々なしかけ。
やがては、教員から言われなくても、自分で気付いて、自分で学びを深められるような方向性を志向。


●知識をつなげていける力。それが教養。


★授業全体にあえて「余白」を作る。それを生かすも殺すも生徒の「学びの構え」次第。


●グループごとに、一つずつ答えてもらう。
最終的に教員がまとめる。
★若干生徒の集中度が下がっているようにも見えた。ある程度、自分たちで導いた答えで納得できているのではないか。


【懇談】
●グループワークを「やって当たり前」になっているので、生徒の抵抗感は少ない。
様々な教科でグループワークが取り入れられている。
★学校の文化として「当たり前」になることが重要なのだろう。


●STEM教育について
「科学技術基礎」という授業。
工作機械に触ってみる、電圧を測定してみるetc...
単にノウハウだけでは仕方ないだろう、という発想。
一つテーマを立てて、それに取り組みながら、数学的概念、科学的概念を組み合わせていく。
座学の内容もつなげていく。
大きな部分として合教科的なものがあるはずだが、それがまだ不十分。
対数とか。
3年でひと回しして、その中でテキストをつくりたい。


●実際のプロジェクト
①水車で発電
②門をつくって、強度を高める
前期と後期で一つずつ。
最終的に溢れ全員が両方取り組む。


取り組む中で、力、エネルギーの概念をまとめていく。


★「積み上げ型」ではなく、プロジェクトを進める中で必要に応じて知識・技能を獲得していく。すべての知識・技能は活用するツールとして機能する。


●水車発電のプロジェクトについて
渡しているのは、発電機だけ。
各チームは、それ以外の部分は設定。
最後は、水車を回して、一番発電量が多いチームが勝ち。
水車が大きければいいのか?
実際には摩擦も考えなければならない。
理論計算から出たものと、実際の値とのズレが。
★「コンテスト」形式は、外発的ではあるが、導入で学びに向かわせるにはとてもよい仕掛けに思える。取り組む中で楽しさ、喜びが見出せれば、内発的なもの変容していくだろう。


●教員の「方向性」は一致している。
★これはかなり大きい。


●プロジェクトゼロ
KJ法やブレストなど、一通りの手法を学ぶ。中間試験。
中間から期末までは、実践編で、駅までの道の安全対策を考える、というようなプロジェクト学習。


後期は、JAXAからお題をもらって、それに対してチームで取り組む。
月で省エネルギーで使える有人活動拠点の設計をせよ、など。
子供騙しのテーマはやめて、本当の課題を出してください、というお願い。
手法を学ぶ、ということ。
「宇宙」はテーマ。
2月に発表。
今日は中間発表。


PBLが中核になっていくだろう。
地域の安全というテーマで発表したら、「これで終わりですか?」と生徒が言ってきた。
自信があるから、消防署などに話をしたい。


また、あるコンテストを勧めたら、15名応募。
3つの会社からのお題で2つでトップを取った。
地域の決勝に。今、ものづくりに励んでいる。


ただのオタクで終わらせない仕掛け。
機械工作物とか。
一つの文化として定着できないか?


★「育成したい生徒像」からの「授業デザイン」がはっきりしているのが素晴らしい。


【授業見学:プロジェクトゼロ】
6人チーム。
工業系2人(担任を含む)と保健体育の3人でTT
チーム編成は、教員がアレンジ。
人間関係と能力で。
生徒からは特に不満はない。


●良かった点
夏休み前くらいまでは対話が活発にならない。
しかし、JAXAの実戦的な内容になって、生徒の活動は活発になった。
チームで動けるようになり、話し合いが騒がしくなってきた。


●課題
「優等生」な報告になりがち。
面白みがない。
生徒と本気でディスカッションしたい!
そこはまだまだ。


地域の課題発見も、一年生だとまだリアリテイがない。
テーマ設定もかぶる。交通量が多いという課題をどうするか?など。


一年生のプロジェクトゼロなので、成果は本当はどうでもいい。
来年からのプロジェクトゼミにつなげていくことが大事。


※教員の介入は?
まずは、生徒同士で発表・質疑・振り返りまでやらせる。
それを集めて、教員で検討。
次の授業でフィードバック。


●発表
各グループで1番から6番まで番号をつけ、同じ番号の人が集まり、ポスターを回りながら発表。
発表3分、質疑1分、振り返りのふせん作成2分の6分が、1サイクル。