知識は思考のためのツール

中学校での出張授業の提出プリントの記述より。
●(大切なこと)覚えるところで終わらないで考えるところ。
●(気付いたこと)今回出てくる疑問は、前習ったことを使って考えられる。
●(大切なこと)ある程度の知識
●(大切なこと)すでに知っている知識と新たな疑問を関係づけて考えること


「知識の獲得」はゴールではありません。
むしろ、基本的な知識を獲得してからがスタートであるはずです。
「知識」は「思考のためのツール」です。
生徒からはこんな意見も出てきます。
●もっと基本的な知識をもってからやりたい。すると、もっと色々なことが見えてくる。


目の前の課題を解決するために、今の自分が持つ知識・理解では不足する。
それを感じると、必要な知識を自分から探し、獲得しにいくという動きが生まれます。
今までの授業の組み立てからだと、どうしても思考が「積み上げ式」になります。
つまり、系統だった内容を順に教えることによって知識を獲得し、そのうえで何らかの思考のための課題に挑戦させる、ということです。
必要な知識がなければものを考えられないから、先に知識を積み上げておくわけです。
しかし、思考のための課題を先に提示すれば、そこに必要となる知識を探しにいく動きも生まれます。


どちらも「あり」だと思いますが、大切なのは、知識の獲得がゴールではなく、知識は思考のためにツールという意識も持ってほしいということです。
今日は、何名かの生徒さんにはこのあたりのことが伝わっているかもしれません。
中学生に強烈に伝えたいのは、
「理科は暗記科目ではない」
ということです。