失敗が教えてくれること 読書メモ

失敗が教えてくれること(2014 竹内薫 総合法令出版)
読書メモ


●天才、秀才と凡人との違いは、失敗しないことではなく、失敗からリカバリーできるかどうか。


●失敗には必ず原因があり、そこから学びとれる教訓がある(失敗のフィードバック)。


●失敗のフィードバックを蓄えないと、いざ失敗すると挫折してしまう。


●失敗をすると、自分の安全が脅かされるので不安になる(だから、失敗を隠したがる)。


●他人が失敗をすると、自分が相対的に優位に立てるので、他人の失敗を面白がる。


●「感情」は脳が無意識に行った情報処理の結果だけを端的に示したもの(「感情」はうまく活用するべきもの)。


●利益獲得型の課題とは、1回の成功のために9回の失敗が許されるようなもの。


●損害回避型の課題とは、9回成功しても、たった1回の失敗で再起不能の存在を被ってしまうようなもの。


●ソチオリンピックのショートプログラムで失敗し、翌日のフリーで復活した浅田選手。
「絶対に金メダルを獲らなければ」という損害回避型の心理(強い不安を覚えるような「悪い緊張」状態)。
「自分の最高のパフォーマンスを見ていただこう」という利益獲得型の心理(不安のない「良い緊張」状態)。
「アスリートである前にアーティストであろうとした」


●「誰もが失敗をする。うまくいかないこともよく起きる」という前提(Nobody's Perfect)がシェアされていると、社会のシステムがうまく回る。


●「失敗は起こってしまうもの」「とにかく失敗を減らすように、みんなで協力していこうじゃないか」という雰囲気が日本の社会にあまりない。


●この世界の中で「自分の思い通りにいかないという体験」をすることが失敗の本質。


●利益獲得型の課題に取り組むときにはわざと失敗してみることが有効。


●失敗にはいろいろな段階があり、ゼロから100までグラデーションがついている。


●事前調整型とは、事前に関係者が根回しをし合うような方法。


●事後調整型とは、根回しなしでまずやってしまい、その後トラブルが生じたら交渉を始める。


●日本の会社の多くは事前調整型。イノベーションは芽のうちに摘み取られてしまう。


●アメリカでは、事後調整型を社会全体で「よし」とする風潮があり、イノベーションに強い。


●失敗から学ぶことは多く、成功から学ぶことは少ないが、人はなかなか失敗から学ぼうとせず、つい成功から学ぼうとする。