第12回教室『学び合い』フォーラム2016in宮城シンポジウムメモ

第12回教室『学び合い』フォーラム2016in宮城

2016年8月20日

@東松島市コミュニティセンター

 

【シンポジウム】

「10年後の”おらほの学校”ってどんなイメージ?」

◆シンポジスト

・文部科学省初等中等教育局児童生徒課 生徒指導調査官

長田徹

・女川みらい創造株式会社 専務取締役 石巻日日新聞 代表取締役社長 Cobaltore女川(コバルトーレ女川) 取締役社長

近江弘一

・特定非営利活動法人アスヘノキボウ 代表理事 女川町復興連絡協議会 戦略室

小松洋介

・石巻市子どもセンター「らいつ」まちづくりクラブ代表

小学校5年生、中学校2年生

・福島県石川町教育委員会 主幹兼指導主事兼学校教育係長

大野勝彦

 

◆コーディネーター

株式会社アソビジ 代表取締役 プロジェクト結(ゆい) 理事

中川綾 

 

【長田】

「協働参画」という言葉をあえて使っている意味。

 

●学校と地域の連携

やってみると難しい。

地域は、学校への不満。

学校は余計な仕事に対する不満。

→「育てたい資質・能力」とは何なのかから考え直すことにした。

 

崩壊していた小学校、中学校が、地域と連携することで「自慢の学校」に。

「恩返し」のつもりが、自分たちがしたことで誰かに喜んでもらえることで、自分たちが一番嬉しい。

自己有用感→自己肯定感

 

日本の高校生は自己肯定感が低い。

中高生の前向きな社会参画意識が低い。

 

不安解消、学習意欲向上の「はじめの一歩」として

「かっこいい姿」ではなく、「一生懸命な大人の姿」を子どもに見せてあげてほしい。

 

次期学習指導要領では「社会に開かれた教育課程」

目標を社会と共有して取り組む。

 

【近江】

地域の活性化に寄与したい

→サッカーチーム

そこから色々と広がってきた。

 

「子どもを励まそう」としたが、「子どもに励まされている」ことになった。

 

地域作りは「子どもつくり」。

子どもを地域が育むことによって地域がよくなっていくのだろう。

社会に家族も学校も帰属していくという意識。

 

【小松】

リクルートに入社。7年間働く。

仙台出身。

震災があってボランティアで戻ってきた。

29歳でリクルートを辞めようと思った。

皆に辞めて行けと言われた。

→女川へ。

NPO法人を立ち上げた。

 

行政、民間、非営利の連携が必要になってくる。

女川は人口減少率が全国1位。

そこで何ができるか。

コレクティブ・インパクト

それぞれの強みを生かしていく。

 

女川というフィールド。

日本の未来の姿を先取りしているようなもの。

大学生のインターンシップを行っている。

地域と関わることで人生が変わる。

 

100人規模の7泊の研修。

 

「憧れの連鎖」をどのように作っていくか。

 

【児童生徒代表】

小学校5年生と中学校2年生

 

子どもセンターらいつ

震災をきっかけに設立。

主な活動は、らいつの運営。

昨年は、震災を風化させないためのモニュメント作りを行った。

 

【大野】

町ぐるみで取り組む『学び合い』の過去、現在、未来

 

●石川町

人口1万人。

小学校3つ、中学校1つ。

過疎化、少子化、高齢化、若者の流出

 

水落先生との出会い、石川町に招聘

→石川町全体で取り組みことを決定

 

【パネルディスカッション】

※学校でやるべき第一歩は?(長田)

仙台市教育委員会での取り組み。

総論は賛成でも各論は反対。

形になるのに5年くらいかかった。

あきらめずに1つ1つ丁寧にやっていく。

教育委員会が主導して一気にやれば、「形は整うが、魂が入っていないものだらけ」になっただろう。

だから、「時間をかけて」「丁寧に」

何度も何度も校長先生を訪問。色々な意見を聞く。

あとは、財政。

「情熱はわかるが、情熱では金は動かない」と言われた。

だから、成果を上げていくしかない。

教員は、校門を出て、地域の人と話してみるしかない。

忙しいとは思うけれど、実際に地域の人とつながっていくことが大事。

 

※地域に帰属するとは?(近江)

昭和40年代の学校には、教室に色々な人がいて、社会には色々な人がいるということを知れた。

高度成長で、親が仕事中心になり、地域の行事に参加しなくなっていく。

地域ではなく、企業への帰属へ。

個人が地域に関われる仕組みを事業者が作っていくべきだ。

やれない人をやれる人が助けるのが一番いい。

積極的にそういう機会をつくるべきだ。

 

※小中学校にアプローチしない理由は?(小松)

どうやってアプローチしていいかわからないということが正直ある。

「打ち上げ花火」ではダメで、「続けていく」ものでないと。

それはすごく大事なことなのだけれども、具体的に誰とどういう話をしていくのか絵を描きにくい。

「窓口」があるとだいぶ違うだう。

女川には、「公民連携室」という窓口があって、入りやすい。

学校の窓口がわからない。

 

※石川町の取り組みは?(大野)

単に学力を上げるだけではなく、ふるさと教育などを入れながら、色々な人とのつながりを作っていくというイメージを持ちながら活動していく。

学校全体、地域全体を見渡しているのは教頭。教頭が窓口になって地域とつないでいくべきだろう。

 

※なぜ石川町の教育委員会は学校とうまく連携できているのか?(大野)

教育長のリーダーシップ。

教育長が何を見ているか。

人づくり、まちづくりというしっかりビジョンを持つこと。

 

※学校に「今の自分ができること」は?

大人もそうだけど、一人でできることは限られているから、今日のこの場のように、大人任せにするのではなく、皆で話し合うようなことをしていくとよいのではないか。

 

学校のクラスはグループになりがち。スクールカーストみたいなものもある。

同じ子どもなのに格付けされていたりして、歯がゆい思いをすることもある。

ちょっとしたことでも、相手の意見を吸収していける機会があるといいだろう。

 

※「せんせい」に対する意見

「先生に話をしてもいいくるめられてしまう」という意識。

→先生を信頼できていない。

「安心・安全」が保障されていてほしい。

言ったことはきちんとやってほしい。

きちんと話ができる場があってほしい