第12回教室『学び合い』フォーラム2016in宮城
2016年8月20日
@東松島市コミュニティセンター
【開かれた『学び合い』はこれで成功する!】
●広げていくには
最初は自分のことで手一杯。
周囲からは奇異な授業に見える。
『学び合い』を広げる、というよりは、校内研修を『学び合い』風にしていけばいいのではないか?
●『学び合い』という言葉をあまり使わない。
『学び合い』という言葉を連呼して人間関係がうまくいかなくなることもあるので注意。
言葉を広げることが大事なことではない。
管理職からも、言葉自体で攻撃されることもある。
●教育委員会からどうやって広げていくか
とにかく酒を飲みながら本音で語る。
そこで良さが伝わったりする。
『学び合い』で一番変わったのは、実は職員室の雰囲気。
子どもの悪口なんかがなくなっていく。
良さが徐々に浸透していく感覚。
●管理職との関係性
最初の頃は管理職とのぶつかった。
授業の様子を語って良さを伝えようとしてが、「なんでわかってくれないの?」となる。管理職は、「なぜ言うことを聞かないのか」となる。すれ違い。
わからないものはわからないんだから、方法を変える。
自分がやるのではなく、外部から人を呼んでみたりするのもよいかもしれない。
自分たちの中から湧き出てくるものを大切にする。
そこから研修などでもそのような形式を取り入れたりする。
管理職も、最初から否定される場合には「あきらめる」ことも必要。
ただし、「アクティブ・ラーニング」の流れで、全否定する人はほとんどいなくなったのではないか。
教員に対して『学び合い』を説明したときの反応も、生徒と同じ。
何人かには伝わるけれど、絶対嫌という人もいる。
何年もかけていくと、少しずつ良いなと思ってくれっる人が出てきた。
●石川町の課題
指導主事なので、指導助言に行くこともある。
だいたい指導主事が長時間話して、教員は寝て、聞いてる人も「何言ってるんだ」となる。
それはやめよう。
指導主事になって、研究協議を完全に仕切って、様々なテーマについてとにかく話させるようにした。
指導主事が何十分も話すと寝てしまうけれど、それをせずに終わる。
教員は驚く。
そこで、「これで学び合いなんですよ」と落としていく。
「これっていいかも」と思ってもらえるようになる。
●高校の管理職
今までは管理職は大学合格実績のことばかり言っていたが、管理職からも「アクティブ・ラーニング」という言葉が聞かれるようになった。
これは画期的。
●『学び合い』フォーラムの歴史
『学び合い』は、これまでの教育書と違って、学術研究を基に現場に向けて書いた実践書である。
「この人だからできる」ということではない。
学会だけではダメで、現場の先生方が参加できる会を
→『学び合い』フォーラムの立ち上げ
西川先生を神格化しない。
「これって『学び合い』ですか?」と確認する人がよくいる。
『学び合い』はお酒。
「これって日本酒ですか?」とは聞かないだろう。
日本酒だと思えば日本酒。
最近は規模が大きくなりすぎたきらいもあるが・・・(全員が顔と名前を覚えられるといいなぁとも思う)。
でも、それだけ広がってきたということだから、それは素晴らしい。
●研究協議でよくある意見
「遊んでいる子がいる」「孤立している子がいる」
反論もあるだろうが、実際にうまくいっていないことも多い。
これは、「永遠の課題」として付き合っていくべきものと思うべし。
でも、これを解消できる方法がある。それが授業公開。
見られることで子どもは頑張る。
どんどん見てもらえるといいのだろう。
※教科書の内容をただ説明するだけで「深い学び」は実現するのか?どうしたら「深い学び」は実現するのか?
「自分たちが今学んでいるものがどういうものか」を認識できることが深い学びなのではないか。
「説明する」ということを目標として設定していることが適切か。必要があれば次の段階の課題を設定すればいいのではないか。
教員自身が「深い学び」とは何かを理解し、それを子どもに提示し要求できることも必要かもしれない。
「深い学び」は、知識的な深さだけではなく、関わりの深さが大切なのではないか。
「深い学び」とは何を意味しているかが共有されていないと議論が成立しないだろう。そこは皆で確認すべきだ。
田村学先生は、「知識やスキルを関わりの中で深めていく」と書いている。
これは『学び合い』で実現できるだろう。
※学校、職員の雰囲気を変えるには?
「変える」というよりは「変わっていく」というイメージ。
「無理をしない」こと。続けていけるように。
「うまくやっていこう」なのか、「言うことなんか聞かないぞ」なのか。
どうやって空気を作っていけるのか?
校長と戦っても仕方ない。
管理職とうまくやることは前提。
上から言われるとうまくいかないけれど、下でやりながらじわじわ広げていく方がいいのでは。
例えば、タブレットを導入して教員に広げていきたいのなら、実際に教員に使ってもらう機会を作ることが大事。