教育実習の初めに

先週の月曜日から生物で教育実習生が3名来ています。
初日に、確認しておきたいことについて対話しました。


まずは、
「何をするために教育実習に来ましたか?」
「この教育実習でどんなことができれば”成功”と言えますか?」
と質問しました。


多くの実習生がそうだと思いますが、まずは「自分目線」での話になります。
そこで、次にこんなことを質問しました。


「”自分が”どうしたい、ではなく、”生徒が”どうなってほしいですか?」


すると、それぞれがそれぞれに考え、それを言葉にしてくれました。
そこまでを確認して、こんな話をしました。


この実習期間中、僕は同じことしか言わないと思います。
「目的は何ですか?」ということです。
全ての活動は、目的から考えるべきです。
例えば、「面白くてわかりやすい授業をする」こと自体は目的にはならないはずです。
「面白くてわかりやすい授業」は手段であり、それを通じて何を実現したいのかが明確でなければなりません。


このことをもう少し説明します。
ビジョンとゴールの話です。
ビジョンは、「矢印」のようなもので、向かう「方向性」を示すものです。
それに対して、ゴールは、その矢印の上に設定された「点」を示すものです。
そしてそれは、そこに到達できたかどうかを明確に判定できるような性質のものです。


例えば、野球部の活動を考えてみましょう。
この活動のビジョンが「人間的成長」だとしましょう。
しかし、それをそのまま部員に伝えたとしても、なかなか伝わらないかもしれません。
「人間的成長をしよう!」と言われても、何をどうしたらいいのかピンと来ないからです。
だから、「県大会ベスト8を目指そう!」という目標を掲げるわけです。
これがゴールに当たるものです。
そして、それは達成されたかどうか明確に判定できます。
結果として、県大会でベスト8に進めなかったとしたら、この野球部の活動が無意味なものになってしまうのでしょうか。
そうではないはずです。
ベスト8を目指すプロセスの中で人間的成長があったはずです。
そうであるならば、ビジョンに沿って活動することができたと言えます。


皆さんの教育実習でも、まずは「ビジョン」を明確にしてください。
先ほど3者3様の考えが語られたので、それでよいと思います。
次に、明確な「ゴール」も設定してください。
それは、教育実習が終わったときに、達成されたかどうか明確に判定できるものにしてください。
それが見えれば、あとはやるのみです。