AL型授業が嫌いな生徒

3年生のある授業でのこと。
ベネッセの塚本さんに授業見学に来ていただいた際に、「アクティブ・ラーニングではなくて一斉授業の方がいい人?」という質問に対して一人の生徒が手を挙げました。
理由は、「話を聞いていて、教科書にないようなことまで話してくれるし、わかりやすくて面白く、興味が持てる」ということでした。
先日、第1回の考査を返却しました。
返却後、生徒同士で解けなかった問題の解決を行ってもらっている時間に、その生徒に話しかけました。
すると、その生徒はこんなことを言っていました。


アクティブラーニングが嫌いで、一年の時の授業の方が好きなんです。
なのに、一年の時は赤点をとっていて、この授業では点数が取れるんです。
それがすごく嫌です。


とても面白いなぁと思いました。
この発言から2つのことを思いました。
1つは、やっぱりAL型授業の方が、「理解・定着に困難を抱えている生徒」を救えるのだなぁということ。
そして、もう1つは、「理解・定着ができなかったとしても、そうではない価値を授業に求めることがある」ということ。
受験に向けて、内容を理解・定着させて得点を取る、ということがある程度うまくいっているにも関わらず、それでも不満を持っている。
それは、点数に結びつかなかったとしても、素晴らしい講義の中で感じ、考えたことに価値があったと感じているからかもしれません。
授業に求める価値が違うところにある、ということなのかもしれません。
もっと単純に、「自分には合わないと思っていた授業で思いのほか点数が取れてしまった」ということへの自己矛盾から出てきた発言かもしれません。


真実はどこにあるにせよ、この生徒の発言から、「AL型授業の意義」と同時に「一斉講義型授業の意義」も感じる部分がありました。
それを感じながらも、僕自身は、「一つの重要な経験」として、受験生にもAL型授業で受験を乗り切ってほしいと思っています。