植物の体内時計

じっきょう理科資料 No78より
「植物の体内時計はどこにある?」(京都大学 遠藤求)


●概日時計の3要件
①自由継続性(光や温度などの周期がなくてもリズムが持続)
②光位相同調性(明暗周期が変化するとそれに同調する)
③温度補償性(温度が変化しても周期が影響されにくい)


●概日時計の進化的起源
シアノバクテリア、動物、植物では概日時計を構成するタンパク質に相同性は見られない。
→独立に獲得されたもの。
※ただし、概日時計の3要件は満たしている。
シアノバクテリア:タンパク質のリン酸化が24時間周期
その他:転写・翻訳を基本とするフィードバックループ


●植物の概日時計
ヒトでは、概日時計の中枢は視交叉上核。
植物には、中枢はないと考えられていた。
調べるための良い方法がなかった。
新しい方法を開発して調べると、維管束のシステムが、葉肉のシステムと異なることがわかった。
葉肉システム阻害→維管束システムに影響なし
維管束システム阻害→葉肉システムに影響あり
植物の体内時計システムにも階層構造がある!