授業を見る視点

福田先生よりヒントをいただき、授業見学に来て下さる方にお願いする様式を「見学者自身の振り返り」と「疑問の共有と解へのヒント」を軸に、以下のように再構成しました。


①見学のテーマ
※「疑問形」でご記入ください。
※「『学び合い』の授業はどんなものなのか?」などの抽象的な表現ではなく、具体的かつクリティカルな疑問を是非お願いいたします。
 ex)『学び合い』の授業では生徒をどのように動機付けているのか?


②テーマに関しての振り返り
※疑問形のテーマに対して、授業見学により何がわかり、何が疑問として残ったかなどをご記入ください。


③授業見学での気付き・新たな疑問・ツッコミ
※できれば「建設的批判」を最低1つはお願いいたします。


④その他のご意見・ご感想


早速、月曜日に授業見学に来ていただいた早稲田大学教育学部3年生の矢後拓海さんより回答をいただきましたので、本人の許可をいただきシェアします。


①見学のテーマ
生徒が自発的に問を持ち、他人に発信できるような環境はどのようにして生まれるのか


②テーマに関しての振り返り
「答えのない、または答えはあるが考えにくい問に対して考える習慣をつけること」と、「気軽に意見を話し合える関係性を構築しておくこと」の両方を用意すると問が生まれやすくなるように感じた。疑問点(自分が今後考えていきたいこと)としては、生徒に問を考える習慣をつけてもらうために、先生側に何ができるのかということ。


③授業見学での気付き・新たな疑問・ツッコミ
アクティブラーニング型の教科教育は生徒自身が考え、解決するということを主軸とするため、教科特有の学問的な面白さが伝わりにくいのではないか。例えば数学で考えると、(綺麗な)別解を伝えることが難しいように感じた。生徒自身では解決したことになっている問題で、かつ生徒には思いつきそうもないが数学の面白さに直結するような別解を先生が伝えることは可能なのか。(なんとなくであるが、自分で解決した問題についてさらに考えを深めようというような習慣と、先生の話を聞くという習慣があまりないように感じたため、書かせて頂きました。)


④その他のご意見・ご感想
私個人も大学生ながら高校生と問を考える活動をしていることもあって、とても面白かったです。今後活動していくためのエネルギーをもらえました。ありがとうございました。


<大野の雑感>
※生徒が自発的に問を持ち、他人に発信できるような環境はどのようにして生まれるのか
→この状況を実現するためには、
●「安心」と「信頼」
●「問い、考える」ことの価値の語り
が大切だと思っています。

教科特有の学問的な面白さが伝わりにくいのではないか?
→教科特有の学問的な面白さについても、生徒同士の対話で驚くほど深い内容や斬新な発想が出てくることがあります。

すると、いとも簡単に「学問のエッジ」に到達することがあります。
これは、むしろ講義型の授業では起こりにくいことだと思っています。
ご指摘のあった「数学の美しい別解」などは、教員から示してしまってもよいと思います。僕の実践はこれを否定するものではなく、むしろ積極的に使っていくべきだと思います。
生徒向けの初回授業の語りスライドでは、「世界の提示」とか「知のショートカット」という表現をしています。


<振り返りシートの変更に関して>
福田先生の「疑問から始めるべき」というご指摘はその通りだと思いました。
実際に、矢後さんの記述を見ても、その方がより本質的な振り返りにつながりやすくなっていると感じます。
また、「建設的批判を最低1つ」という要求も、クリティカルにものを見るために重要な要素だろうと思います。
この項目立てについても、何かお気づきの点があればお知らせ下さい。