東大教養学部からのメッセージ

平成26年度 教養学部学位記伝達式 式辞


東大駒場の教養学部卒業式での式辞。
初回授業を迎える生徒の皆さん、また教員の皆さんと広く共有したい、素晴らしい内容だと思います。
明日、初回授業を迎え、生徒に語る自分にも、ビシビシと響きました。
これが教養学部で語られたことが誇らしいです。
同時に、自分自身も気を引き締めて、生徒に「背中」を見せなければと気持ちを新たにしました。


また、最後に引用されたニーチェの言葉。

"きみは、きみ自身の炎のなかで、自分を焼きつくそうと欲しなくてはならない。きみがまず灰になっていなかったら、どうしてきみは新しくなることができよう!"

これは、先日の国立高校入学式で校長先生が語っていた「限界状況」にも通じるものがあります。
「自分を焼き尽くそうと欲する」とは穏やかではありませんが、人生の「区切り」には、これくらいの強い意志で突っ走ってみるのもよいかもしれません。
引用後の言葉もピリ辛で素晴らしいです。


式辞より引用

"早い話がこの命題は初めから終りまで全部間違いであって、ただの一箇所も真実を含んでいないのですね。にもかかわらず、この幻のエピソードはまことしやかに語り継がれ、今日では一種の伝説にさえなっているという次第です。"


"情報が何重にも媒介されていくにつれて、最初の事実からは加速度的に遠ざかっていき、誰もがそれを鵜呑みにしてしまう。そしてその結果、本来作動しなければならないはずの批判精神が、知らず知らずのうちに機能不全に陥ってしまう。ネットの普及につれて、こうした事態が昨今ますます顕著になっているというのが、私の偽らざる実感です。
しかし、こうした悪弊は断ち切らなければなりません。あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、「教養学部」という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる「教養」というものの本質なのだと、私は思います。"