「いい仕事」とは何か

ある卒業生が夕方訪ねてきました。
就職して1年11か月で退職し、新たな道を進むそうです。


情報を集める中で、「忙しさ」を理由に退職する人が多いけれど、実は「仕事がなさすぎる」ことを理由に退職している人が相当数いると聞いたそうです。
この卒業生のケースも、様々な要因があった中で「仕事がなくてつまらない」ということも大きかったそうです。
これを聞いて、「なんで??楽して給料もらえるなんて、いい仕事なのにもったいない」と思う人と、「そりゃそうだ」と思う人とがあると思います。


「これからの時代を生き抜くためには、言われたことを言われた通りにやるだけではダメ」
そんなことを言われても、なかなか「これで生きていける」と自信を持てるものもない高校生。
生徒との面談の中では、「言われたことを着実にこなすことはできるけど・・・」という話になることも少なくありません。
来るべき就職活動が不安になる気持ちもわかります。


もし、そんな彼らに、「自分の頭で考えることはほとんどなく、言われたことだけ着実にこなし、しかもそれなりに余裕がある職種がある」と伝えたら、「そういう仕事がしたい!」と言うかもしれません。
でも、創意工夫の機会がなく、言われた通りにこなし、しかも暇をもてあます状況が何より辛いと感じる人間もあるのです


僕自身は、そういう仕事のオファーがあり、今より給料が倍になったとしても、それを選ぶことはないと思います。
なぜなら、仕事は「お金を稼ぐための手段」としてだけではなく、「幸せな人生を送るために必要不可欠なもの」と考えているからです。
お金を通じて得られる「もの」より、仕事を通じて得られる「価値」が、僕の人生にとって重要です(とはいえ、生活していくだけの稼ぎもまた不可欠ですが・・・)。


「過度な忙しさ」も「過度な暇」も、人を幸せにしないのかもしれません。
今僕が授業で大切にしている「適度なハードル」と「安心感」が、仕事を通じた幸せにも重要なのだと思います。
安心感の中で挑戦し、失敗し、思考し、改善し、達成し、認められる。
そんなことを実感できる仕事が「いい仕事」なのかもしれません。