なぜ秋の風を感じると何かを想うのか

台風の影響を避けるため、この時間に電車に乗っています。

このくらいの暗さ、気温、そして雨。
前任校で短期留学の引率をしたシアトルの朝を思い出します。
なぜ無意識にそんなことを思い出してしまうのか。


先日の脳科学シンポジウムで、二つの独立した記憶が関連づけられるしくみの話がありました。

Aという状況ではたらく神経細胞ネットワークのパターンと、Bという状況ではたらく神経細胞ネットワークのパターンで共通しているニューロンのシナプスが強化されると、2つの記憶が連合する。

今のこの「環境条件」によって発火しているニューロンが、様々な「符号化された記憶」を適当に呼び覚ましているということなのでしょう。

 

味覚でも、全く異なる物質で味覚センサーの示すパターンが一致するものは、同じような「味」が感じられます。

ある環境条件がどのような体験と関連付けられ、どのような記憶が呼び覚まされるかは、ゲノムによらず、その人の人生の積み重ねが作り出した神経細胞ネットワークの個別性に由来します。

 

春の空気を感じながら桜の花を見て何を想起するか。
秋の空気を感じながら葉の色付きを見て何を想起するか。

四季の移り変わりの中で、自分がどんな環境条件をどんな体験と関連付けていたのか。
それぞれの時代の人々が、どんな環境条件をどんな体験と関連付けていたのか。

 

と書いている間に、学校の最寄り駅に到着。
 今日の環境条件は、「こんな話を書き留めました」という新たな記憶と連合したことでしょう。

 

(2014年10月6日 6:30 FB記事)