学んだ内容を定着させるには

読書の内容を定着させるには

 一年ほど前から本格的に生徒に書籍の紹介をし、貸し出しをしています。
 特にここ2ヶ月は新しく担任になったクラスの生徒との面談で貸し出しが少し増えています。

 

ある生徒から、「本の内容がとても心に響いたのだけれど、内容を覚えていられません。どうしたら読んだ内容を覚えていられますか?ノートに大事なことをまとめればいいですか?」という質問をされました。
 僕は以下のように答えました。

 

ノートにまとめることはいいかもしれない。
でも、それはけっこう大変なこと。
それよりももっと簡単で効果的な方法がある。
それは、「内容について人に説明すること」。
読んだ本の内容で、今僕に説明できることが何かあれば、それが自分の中に本当に響いて残った内容。
それが一冊読んで一つでもあればすごく意義深いこと。
説明することは二つの意味で重要。

 

①人に話す時に内容を頭の中で組み立てて整理する必要がある。そのステップそのものが理解を助ける。また、実際に音声として相手に語りかけるとさらに整理される。
②人に説明することで、そのこと自体が「思い出」になる。思い出は通常の記憶より忘れにくい。あの時あの場所で○○さんに説明したこと、というように。記憶の種類が、単なる「意味記憶」から「エピソード記憶」になるということ。

 

もし、誰かに本の内容を語ろうとして何も語れなかったら、それはその程度の内容だったのかもしれない。
逆に、読んでいるときに、「内容を人に説明する」というアウトプットを意識して読めば、その都度内容を整理して読む態度が育成されるので、より深く定着しやすい読書にもなりえる。

 

以上の話を聞いて、その生徒はとても納得した様子で「じゃあ、誰かに説明してみることにします!」と帰っていきました。

 

研修会で学んだ内容を定着させるには

この生徒における「読書」の課題と同じことが僕自身にも存在します。
様々な研修会や勉強会で学んだこと、あるいは日々の会話の中で得た知識や気付きなど、自分の中に残しておきたいことは山ほどあります。
それを定着させる一つの優れた方法が「人に説明する」ということです。
 理由は、読書に関して指摘した通りです。
 僕自身は、大事だと思ったことはできる限り人に話すようにしています。
ただし、これには「聞いてくれる誰か」の存在が必要です。
 僕にはこのような存在があり、日々アウトプットできています。
 先日、「自分が面白いと思ったことは周囲の空気とか構わずに話してしまう傾向がある」という指摘もいただいたりしましたが、そんな話にお付き合いいただいている皆様にただただ感謝です。

 

「人に説明する」というのは、単なるアウトプットで終わるわけではありません。
その話に対して何らかの反応を得ることができます。
そして、「対話」に発展していきます。
その中では、実に様々な気付きがあります。
これは一人で考えているよりも、質・量ともに高まっているように感じます。
また、そこで得た感覚を整理し、自分の血肉とするには、その後のリフレクションも欠かせません。

 

 整理すると、
インプット(読書、研修会等)
→重要事項の発見、整理
→アウトプット
→対話
→新たな気付き、学び
→リフレクション(個人で)
というサイクルを回すことが、深い理解と定着、さらには「創造的思考」に有益であると思います。

 

何のために情報発信をするのか

僕はFBやHPを通じた情報発信を非常に大事だと考えていて、そこにある程度の時間の投資をしていきたいと思っています。
理由はいくつかあります。
アウトプットによる効用として、「内容の定着」があることは、すでに書いた通りです。
さらに、その内容を基に対話をすることで様々な気付きがあることも書きました。
しかし、現実問題として、そのような「対話」を日々の業務の中で充分に確保することはなかなか難しいと思います。
そこで、FBやHPでの情報発信ということになります。
そこでは、自分の「隙間時間」を使うことができますし、読み手も同様です。
そこで、どなたかのアンテナにひっかかった内容については、何らかのレスポンスを得られることもあります。
そこから、自分自身の新たな気付きや学びが得られます。

 

対面での対話は、ネット上での対話に比べて優れていると思っています。
しかし、その現実的かつ強力な代替策がネットでの対話であり、そのきっかけが情報発信だと思います。
「そんなことをして何になる?」と問う人もあるかと思います。
穿った見方をすれば、ある種の自己顕示欲ではないかと言えると思いますし、その側面も実際にあると思っています。
しかし、より重要なことは、以下のようなことです。

 

●アウトプットによる「学び」も整理、定着
●情報発信から得られる何らかのレスポンスと新たな気付き、学び

 

そして、ささやかだけれど、
●誰かの人生のために何かできているという喜び
というのも感じられると嬉しくなるものです。

 

こう考えれば、情報発信をすることはメリットばかりなのです。
ある一定の時間的投資は必要ですが、その価値があることだと思っています。

 

ある先生が、
●ネガティブな側面も見つかるけれど、FBによって、私は「人生がおもしろく」なった
と書かれていました。


一方で、ある人から、
●周囲の皆の充実ぶりを見せつけられるのが辛いからFBは辞めた
という話もごく最近聞きました。

 

できることなら、僕は「つながることの楽しさ、大事さ」を伝えたい。
その感覚が持てるだけで、人生はいつでも開けるように思います。

 

ドラえもんの「のび太の結婚前夜」という話の中にこんなセリフが出てきます。
●あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それが一番人間にとって大事なことなんだからね。

 

こんな感覚を持っていてほしいと思います。
つながることは、こんなにもシンプルで強力なものであり、インターネットを通じてそれがより簡単になったのだから、それを「上手に」使ってほしいと思います。
生徒にそれを語れるように、これからも情報発信をしていこうと思います。